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慢性腸炎
腸の粘膜に慢性的な炎症が生じ、便通異常を起こす疾患
慢性腸炎とは、腸の粘膜が長期間に渡って炎症を起こしている疾患。主に大腸が侵されることが多く、小腸炎はまれです。
この慢性腸炎になると、飲食物の栄養分の腸での吸収が十分に行われないで、便に出てしまいます。そのため、腸内での発酵が起こったり、腐敗が起こったりします。
主な症状は、急性腸炎と同様に下痢です。主に朝、または夜に下痢があり、日中には何ら異常が起きない場合もあります。下痢と便秘が交互に起こることもあります。下腹部に軽い腹痛が起こり、腹がよく鳴ったり、おならがよく出ることもあります。
排便には1日数回行くことが多く、軟便もあれば水様便もあるというように、便の状態がいろいろで、粘液や血液が混じることもあります。時には、肉眼で見られるような血液が混じっていることもあります。小腸下部から盲腸に炎症が限局している時は、出始めの便は硬く、終わりになるにつれて軟らかくなることがあります。
また、毎食後必ず便意を催すような人もあります。食後まもなく、へその回りや左下腹部に短時間の痛みが起こり、便が出ると一時的に楽になりますが、排便後に衰弱感、脱力感、倦怠(けんたい)感があります。
こういった症状が長く続くと、不安を抱いたり、神経質となって頭重、めまい、動悸(どうき)、不眠などを起こし、無気力になることもあります。栄養状態は比較的侵されないものの、子供や老人では衰弱してしまうことがあります。
慢性腸炎の原因としては、まず感染症が挙げられ、腸結核、かびの一種の放線菌によって起こる化膿(かのう)性の放線菌症、病原性アメーバの感染によって起こるアメーバ赤痢、胆管や腸内に寄生するランブル鞭毛(べんもう)虫によって起こるランブリア症などがあります。
感染症以外では、急性腸炎にかかった時の治療が不十分で、不摂生や精神的ストレス加わって起こります。時には、胃や肝臓、膵(すい)臓、心臓などの疾患から直接、間接に腸が刺激されて起こることもあります。そのほか、薬剤性腸炎によるもの、化学物質によるもの、放射線障害などによるものもあります。
原因がまだわかっていないものも多く、非特異性炎症性腸炎と呼ばれ、潰瘍(かいよう)性大腸炎やクローン病などがそれに相当します。
そのほか、薬剤性腸炎、化学物質によるもの、放射線障害などによるものもあります。
慢性腸炎の合併症として、しばしばビタミン欠乏症が起きます。生野菜や果物を食べると下痢を起こし、ビタミンの吸収が悪くなります。ことにビタミンB2、ビタミンCの欠乏のために、舌や口の中に変化を起こしたり、口角炎なども起こしやすくなり、重症では体重が急激に減少することがあります。ビタミン以外の栄養障害で、貧血を起こしたり、リウマチ様関節炎を合併することもあります。
慢性腸炎の検査と診断と治療
慢性腸炎の症状が長く続くと、不安を抱いたり、神経質となって頭痛やめまいまで起こす場合もありますので、早いうちに内科の専門医を受診します。
医師による診断では、便の検査が最も重視されます。色調、形、内容物の状態、血液が混じっているかどうかなどを調べ、さらに顕微鏡で、不消化の状態、寄生虫や原虫の有無などを調べます。細菌については培養して確定診断をしますが、培養に日数を要するものもあります。
そのほか、腸のX線検査、大腸内視鏡検査が行われることもあります。
ほかに似たような症状が現れる疾患として、過敏性腸症候群や吸収不良症候群などがあります。
原因によって、治療法が異なります。感染症の場合は、それに適応する抗生物質が用いられます。副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)も用いられます。
慢性腸炎を防ぐには、規則正しい食生活やストレスをためない生活習慣を心掛けることが基本となります。
食事時間を規則正しくし、刺激の少ない、消化のよい食品を選びます。脂肪の多い豚肉や牛肉、それに繊維の多い果物や生野菜は避けるようにします。冷たい物、アルコール、濃い茶、コーヒ ー、刺激物なども避け、食品の調理では熱すぎず、冷たすぎず、味付けも濃すぎず、辛すぎず、酸っぱすぎずを基本とします。
睡眠を十分にとること、タバコをやめること、おなかを温めること、寝冷えを防ぐことも大切で、スポーツやレクリエーション、趣味などによるストレス解消法を考えることも大切です。
ただし、完全に治るまでには長期間を要しますので、あまり神経質にならないようにします。
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