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フライバーグ病
思春期ころの女子に多くみられ、足指の付け根部分の骨が壊死する疾患
フライバーグ病とは、足の中足骨(ちゅうそくこつ)の骨頭部の組織が血液の循環障害により壊死(えし)し、痛みが起こる疾患。1914年にフライバーグにより初めて報告されましたが、1915年にケーラーも報告しているため第二ケーラー病と呼ばれることもあります。
このフライバーグ病は、成長期の子供の成長軟骨に障害が起き、痛みを伴う疾患である骨端症の一つでもあります。骨端症の多くは男子に現れますが、フライバーグ病に関しては女子に多くみられます。好発年齢は12〜18歳の思春期ころで、女子は男子より3〜4倍ほど多くなっています。
足の第2中足骨に最も多く起こる傾向があり、次いで第3中足骨に多く起こり、まれに第4中足骨にも起こります。第2中足骨に多く起こるのは、中足骨の中で最も長いため、靴を履くことによって長軸上のストレスがかかりやすいためと思われます。足の両側に起こる例が、10パーセント程度にみられます。
症状の最初は、運動をすると足の前の部分の不快な感じがあり、体重が掛かると痛みが出ます。数年間、無症状の時期があり、運動を機に痛みが再発します。中足骨の骨頭部がある足指の第2指(中指)や第3指(薬指)の付け根を押すと痛みがあり、はれが出ることもあります。進行すると、歩く際の踏み返しの時に足指の付け根の関節に痛みがあるため、その部位への荷重を避けた歩き方になります。関節の可動域制限もあります。
外傷に続発することもありますが、発症の原因にはいろいろな説があり、確定したものはありません。幅の狭い靴を長期間使用することで、持続的な負荷がかかって中足骨の骨頭部への血行が一時的に障害されて生じるともいわれています。
足の部分の骨端症の中では、フライバーグ病だけが早期診断、早期治療が重要な疾患です。足の痛みがある場合は、整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。早期より徹底した治療が行われないと関節変形を来し、痛みが残りやすいので注意が必要。
医師による診断では、X線写真で中足骨の骨頭の部分が不規則な形をして、つぶれたり、壊れたりしている像が見られます。鑑別が重要な疾患には、中足骨疲労骨折、リウマチ性関節炎があります。
軽度の場合の治療では、足を安静に保つために、過激な運動を避けます。また、靴の中敷きに、土踏まずを高くしたアーチサポートを数年に渡って使用し、血行が再開して骨頭が修復されるまで、異常のある骨に体重がかからないようにします。一般には、2年ほどの経過でX線上の変形は治ってきます。
初期の痛みが強い場合には、3〜4週間ギプスを巻いて荷重を避けた後、軽度の場合と同様の中敷きを使用します。踵(かかと)の高い靴の使用、ランニング、長時間の歩行などは厳禁です。
自然によくなる程度が少ないため、放置して関節に障害を残した例や、治療開始が遅れた例で変形が残って痛みがあれば、手術することもあります。手術には、壊死部の骨頭を切除する方法や、骨頭の付け根の部分を楔(くさび)状に切除して、骨頭を背側に回転して固定する方法などがあります。
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