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放射線測定器

汚染された物質や大気中の放射線量を調べるための装置

放射線測定器とは、汚染された物質や大気中の放射線量を調べるための装置。放射線には強い電離作用や蛍光作用があり、これらを利用して放射線を検出します。

携行してその場の瞬間ごとの放射線量を測ることができるものは、サーベイメーターと総称します。測定の目的、放射線の種類によって、適した測定器、測定法は異なります。

代表的な放射線であるガンマ(γ)線を測るものには、電離箱式、シンチレーションカウンター式があります。ガイガーカウンター式は、ベータ(β)線も対象とします。中性子線用は、レムカウンターと呼ばれます。

ガンマ線とベータ線は吸収線量も線量当量も同じ数値になり、ガンマ線では照射線量の値は吸収線量にほぼ比例するので、中性子線用以外のサーベイメーターの測定値は線量当量と見なされます。単位は通常、毎時マイクロシーベルト。ガイガーカウンターは放射線の数を測定するもので、汚染を調べるのに使われます。

原子力発電所などの事故で環境中に放出され、大気中に浮遊する放射性物質が皮膚や頭髪に付着するなどして、体の外から浴びた外部被曝(ひばく)の放射線量は、携帯型のサーベイメーターを使って測ります。頭や顔、両腕などを体表面から数センチ離して、順番に測っていきます。

大気中に浮遊する放射性物質を呼吸の際に鼻や口から吸い込んだり、汚染された飲食物を体内に取り込んで起こる内部被曝の可能性が高い場合には、専門的な医療機関で検査します。座ったり寝たりした状態で全身を測定できるホールボディーカウンター(全身カウンター)で、体内に沈着した放射性物質から放出されるガンマ線を外側から測ります。測定の対象となる放射性核種はガンマ線放出核種であり、代表的なものにマンガン54、コバルト60、セシウム137などがあります。

このほか、体の特定の器官に着目して、その器官に沈着している放射性物質の測定を目的とした甲状腺モニタや肺モニタなどの装置があり、鼻の粘膜や吐いた物、尿や便などから検査する方法もあります。

なお、放射線とは、放射性物質から出される高速の粒子線や、電磁波のことで、強い電離作用や蛍光作用を有しています。高速の粒子線にはアルファ(α)線、ベータ線、中性子線などがあり、電磁波にはガンマ線があります。レントゲン写真を撮る際に使われるエックス線は、ガンマ線の仲間です。

放射線の透過力についてみてみると、アルファ線とベータ線は透過力が弱く、アルファ線は紙一枚で止まり、ベータ線はアルミ板で止まります。ガンマ線と中性子線は透過力が強く、ガンマ線は厚い鉛の板で止まり、中性子線は鉛やコンクリートでも十分でなく、水に含まれる水素の原子に衝突させてエネルギーを吸収させることで止めることができます。

自然界でも宇宙や大地から常に放射線が環境に出ているので、少量の放射線であれば人体には影響しません。しかし、高速の粒子や電磁波からなる放射線を大量に浴びると、体に備わっている修復能力が追い付かず、髪の毛が抜けたり、白血球が少なくなったり、がんになりやすくなるといった問題が起こります。一度に極めて多量に浴びると、死亡する恐れもあります。

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