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パチンコ依存症

パチンコ依存症とは、パチンコによって得られる精神的高揚に強く捕らわれ、自らの意思でやめることができなくなった状態を指します。精神医学的には病的賭博(とばく)という精神障害の一種のことであり、一般的にはギャンブル依存症の一種に相当します。

現在、パチンコ依存症の人は、推定100万人以上といわれています。 健全な範囲では一過性の娯楽としてパチンコを行うのに対し、パチンコ依存症では行う状態を維持するために借金までして行い続けることが問題視されます。症状が進むとパチンコでできた借金をパチンコで勝つことにより清算しようとするなど、合理的ではない考えを抱き、実行したりという問題行動が繰り返されます。

パチンコ依存症になる理由として多いのは、打っている時や勝った時の精神的高揚や快楽感が癖になってしまい、負けても負けても一時の快楽を追い求めることを繰り返し、知らぬ内に深みにはまってしまうというものです。パチンコの大当たりの時には、脳から脳内麻薬とも呼ばれる、大量のβ-エンドルフィン、ドーパミンなどの神経伝達物質が分泌されるため、一種の薬物依存に近い状態に陥ることにより、理性が弱まって大金を浪費しまうともいわれています。

パチンコ依存症になる人は、熱中しやすい性格で、自分の過ちを認めたがらないという傾向があるともいわれ、抑圧された感情をうまく吐き出せず、パチンコで発散している人も多いといわれています。

このパチンコ依存症により、若年者が勉学意欲や勤労意欲を喪失しニート化するケースや、借金をしてまでパチンコにのめり込むあまり多重債務に陥るケース、借金苦から逃れるために自殺にまで陥るケースがあります。道徳心が希薄になり、詐欺や横領などの犯罪に走るケースも散見されます。

近年では、高齢者のパチンコ依存症が増加しています。高齢者の場合、孤独や退屈を紛らわすために始めたパチンコが唯一の趣味になっていることが多く、依存症であることを自覚できていないケースが目立つとされています。

また、依存状態にある本人のみならず、家族もトラブルに巻き込まれることがあり、家庭不和から離婚に発展するケースもあります。

パチンコ依存症の結果、深刻な借金苦に陥るケースが跡を絶たないのには、日本では破産法により浪費や賭博(とばく)など射幸行為をしたことによる負債では破産が認められず、弁済の義務を放棄することができないといった事情もあります。

消費者金融の有り様と併せて社会問題視(クレサラ問題)されたことから、2005年ころから東京都遊技業協同組合などの業界団体でも、パチンコ依存症に対する注意の呼び掛けや、問題解消のためのカウンセリングの紹介といった事業が始められました。

2006年からは日本全体の業界団体である全日本遊技事業協同組合連合会でも同様の取り組みを開始しており、パチンコ依存症は治療を要する病気であるとともに、業界団体としても救済を必要とする問題と位置付けて5年間分の運営費1億円を負担、同依存症に対する研究を進めるほか、専門相談員の育成にも乗り出しています。

パチンコ依存症にならないためには、遊びの範囲内で抑えることが大切です。勝つ時もあれば負ける時もあるのがパチンコであり、負ける時のほうが圧倒的に多いのだということを認識したいものです。

近年、パチンコ業界は娯楽の多様化や、古臭いイメージによる若者離れ、高くなったギャンブル性と依存性が指摘され、ピークの参加人口からは年々減少し2007年に過去最低水準にありましたが、再び参加人口が増えつつあります。一方、市場規模は年々縮小し続け、現在過去最低水準にあります。

パチンコ店は娯楽を提供する性質のサービス業である以上、必要とする利益を差し引いた金銭が客に再分配されているにすぎません。長期的にパチンコを行うということは、それだけ当たり外れが平均化され、よほどのまぐれなどが続かない限り、客の側からすれば利益を上回る支出が出るのが必定。

パチンコに関する自己分析をし、自己の症状を認識することも大切です。パチンコ業界団体ウェブサイトなどで簡易チェックリストが用意されていますので、これを利用して自己の状態を客観的に認識することも可能です。

外出先でも現金を手にできるキャッシュカードやクレジットカードを持ち歩かないことも、パチンコ依存症にならないために有効です。パチンコ店に近付かないようにすること、何か熱中できる趣味を見付けることも効果があります。

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