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ナトリウム
食塩での過剰摂取が高血圧や胃がんの原因となる必須元素
ナトリウムとは、アルカリ金属の一つで元素記号Na。人間にとって必須元素で、海水中に塩化ナトリウムとして多量に存在します。
通常、食塩の形で摂取し、食塩の99パーセント以上はナトリウム。味噌(みそ)や醤油(しょうゆ)などの調味料、動物性食品などからも摂取します。植物性食品にはほとんど含まれていません。
生体内では主に細胞外液に分布し、体液の浸透圧の調節、水分の保持、神経や筋肉の刺激の伝達に重要な役割を果たしています。
ナトリウムは腎臓(じんぞう)で再吸収されるため、腎機能が正常であればナトリウム欠乏は生じません。ただし、スポーツなどをして大量の汗をかいたり、おう吐や下痢をしている場合には、たくさんのナトリウムが失われてしまうので適切に補給することが必要になります。
一般的に問題となるのは、ナトリウムの過剰摂取のほうで、食塩を取りすぎる食生活では高血圧や胃がんなどの生活習慣病を招く恐れがあることが、多くの疫学調査や動物実験などで明らかにされています。
平成21年(2009年)の国民栄養調査によると、日本人の1日当たりの食塩摂取量は成人男性が11・6グラム、成人女性が9・9グラム、成人の平均が10・7グラムで、年々男女とも減少していますが、「日本人の食事摂取基準」(2010年版)では食塩摂取の目標量(上限)を1日当たり成人男性で9グラム未満、成人女性で7・5グラム未満としています。
急に無理な減塩をして食欲を落としてしまうことは問題ですが、日本人はもっと薄味の食生活に切り替えて、食塩を減らしていく必要があります。WHO/国際高血圧学会ガイドラインなどでは、高血圧の予防と治療のための指針として1日6グラム以下を示しています。
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