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内科
内科とは、一般に、高校生以上の大人に対して病気全般や軽度な外傷の診断と手術以外の治療を行い、併せて生活習慣の改善なども管理、指導する診療科。
プライマリーケア(初期診療)の役割も果たしており、例えば頭痛や腹痛など日ごろ一般的なちょっとした病気でも、それらの原因がどこにあるのかを明らかにし、他の診療科と連携して患者に適切な医療を提供することも、重要な仕事の一つとなっています。
対象となる疾患は、呼吸器や消化器、循環器、内分泌、血液、神経系統など幅広く、目や耳など特定の器官以外の疾患はすべて内科で扱われます。
大きな医療機関では、これらの部位によって内科が細分化されて専門的になっており、「呼吸器科」や「消化器科(胃腸科)」、「循環器科」、「神経内科」などと標榜(ひょうぼう)され分かれています。
呼吸器科とは、肺、気管、気管支、縦隔、胸壁、横隔膜など呼吸器にかかわる疾患を診察し、主に内科的治療を行う診療科。治療においては、「呼吸器外科」や「放射線科」と密接な関連を持っています。
呼吸が苦しい、息がゼーゼーする、せきやたんが多い、たんに血が混じる、深呼吸すると胸や背中が痛いなどの症状がある場合や、レントゲン写真で肺に影がある場合には、呼吸器科に関連する疾患の可能性があります。
呼吸器科で扱われる主な疾患としては、風邪、インフルエンザ、慢性気管支炎、気管支喘息(ぜんそく)、気管支拡張症、肺炎、間質性肺炎、肺梗塞(こうそく)、じん肺症、肺がん(肺悪性腫瘍〔しゅよう〕)、肺良性腫瘍、膿胸(のうきょう)、自然気胸、肺気腫、サルコイドーシス、睡眠時無呼吸症候群などがあります。
消化器科とは、食道、胃、十二指腸、大腸などの消化管と、肝臓、胆嚢(たんのう)、胆管、膵臓(すいぞう)などに生じる疾患を診察し、治療を行う診療科。医療法では、胃腸科と標榜してもよいことになっています。
胸焼け、胃もたれ、吐き気、食欲不振、胃痛、腹痛、便秘、下痢、血便、黄疸(おうだん、皮膚や目が黄色くなること)、疲労感、体重減少などの症状がある場合には、消化器科、胃腸科に関連する疾患の可能性があります。
消化器科、胃腸科で扱われる主な疾患としては、食道炎、食道がん、胃炎、胃ポリープ、胃潰瘍(かいよう)、胃がん、十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、過敏性大腸炎、腸閉塞(へいそく)、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がん、閉塞性黄疸、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、膵炎、膵嚢胞、膵臓がん、胆嚢炎、胆管炎、胆嚢がん、胆管がんなどがあります。
循環器科とは、心臓と血管(動脈、静脈)に関する疾患を専門に診察し、治療を行う診療科。さまざまな検査結果によって、内服治療の開始と生活習慣の改善を指導し、必要に応じて外科的な治療も行います。
安静時・運動時の胸部の痛み、背中の痛み、動悸(どうき)、息切れ、脈の乱れ、立ちくらみ、めまい、意識を失うなどの症状がある場合には、循環器科に関連する疾患の可能性があります。また、高血圧や糖尿病など生活習慣病のある人は、定期的に循環器科で診察を受けるようにしたほうが安心です。
循環器科で扱われる主な疾患としては、心筋梗塞、狭心症、不整脈、心臓弁膜症、心筋症、心不全、先天性心疾患、大動脈瘤(りゅう)、閉塞性動脈硬化症、肺高血圧症、肺血栓塞栓症、高血圧、低血圧なとがあります。
神経内科とは、脳や脊髄(せきずい)、末梢(まっしょう)神経、筋肉の障害によって起こる疾患を専門に診察し、治療を行う診療科。障害とは、炎症や変性、腫瘍、血管障害、代謝・ホルモン等の異常などにより、頭痛やめまい、しびれ、意識障害、身体麻痺などの症状が出ることです。
その名称から他の診療科と混同しやすい面がありますが、ストレスからくる身体的な症状を専門とする「心療内科」や、心の病気が専門の「精神科」とは区別されます。また、似たような名前の診療科である「神経科」は、その定義があいまいで、神経内科と同じに扱ったり、逆に精神科と同じ意味合いで使用している医療機関も多くあります。
神経内科で扱われる主な疾患としては、脳卒中、脳炎、髄膜炎、パーキンソン病、多発性硬化症、重症筋無力症、ギランバレー症候群、てんかん、脊髄症、筋ジストロフィ−症、顔面神経麻痺、多発性筋炎などがあります。
神経内科では、どのような疾患に該当するか診断し内科的治療を行いますが、手術が必要な場合には「脳神経外科」などに依頼します。
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