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長期間の喫煙により口腔粘膜、とりわけ口蓋粘膜が厚く、硬くなる病変
ニコチン性口内炎とは、喫煙により口腔(こうくう)粘膜、とりわけ上側の部分の口蓋(こうがい)粘膜が厚く、硬くなる病変。喫煙者口蓋とも、口蓋ニコチン性白色角化症とも呼ばれます。
喫煙歴の長いヘビースモーカーにみられ、たばこの煙に含まれるニコチンなどの化学物質の蓄積や、たばこ喫煙時の熱刺激が原因となって発生します。
ニコチンのみが直接の原因かどうかは不明で、たばこの煙に含まれるどの化学物質が影響しているかということまでは、わかっていません。たばこの煙には、ニコチンのほか、タール、一酸化炭素、非常に発がん性の高いベンツピレンなど200種以上の有害な化学物質が含まれることは、わかっています。
長期間の喫煙により、口の中が熱く、乾燥したたばこの吸気にさらされ続け、口腔粘膜が刺激されることも、原因の一つとなります。
発症の初期では赤い発疹(はっしん)ができ、すぐに白色になります。口蓋粘膜は白色になって、厚く、硬くなり、時に表面がシワ状、あるいは敷石状になることもあります。やがて、口蓋粘膜に点在する小唾液腺(しょうだえきせん)が炎症により赤くはれるため、白色の口蓋粘膜に赤い点が散在しているように見えるようになります。
痛みなどの自覚症状はほとんどありませんが、時に染みることもあります。重症になると、小唾液腺がふさがれ唾液が出にくくなることもあります。
たばこの悪影響はよく知られているところで、タール、ベンツビレンを始めとする発がん物質を含んでいるため、ニコチン性口内炎においても口腔がんに発展することがあります。
ニコチン性口内炎の検査と診断と治療
歯科口腔外科、内科の医師による診断では、臨床症状や喫煙歴などから判断は容易で、通常、組織検査は不要です。
歯科口腔外科、内科の医師による治療では、禁煙すること、もしくは喫煙本数を減らすことにより、数週間から数カ月で改善します。
ニコチン性口内炎はがん化する恐れも指摘されており、口腔がん予防の意味からも禁煙の意義は大きくなります。
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