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第一ケーラー病
足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みが生じる子供の疾患
第一ケーラー病とは、足の中央部にある舟状骨が変形して、痛みを生じる疾患。幼児、小児期にみられ、特に4歳から7歳くらいの男児に多くみられます。
1908年に、ドイツのケーラーによって初めて報告されました。持続的な負荷がかかるなど何らかの原因で、舟状骨への血行障害が生じると、骨自体の組織が壊死(えし)するために変形して、偏平化します。両足に発生する例が約3分の1にみられ、症状に左右差があることも多くみられます。急性に発症することはまれで、慢性に経過することが多い傾向にあります。
土踏まずに痛みが生じ、はれることもあります。そのため、足の外側に体重を掛けて歩くために歩き方がおかしい、歩きたがらないといった症状を示します。しかし、足の形は正常で、関節の動きは障害されませんが、足首の内返しによって痛みを訴えることもあります。
多くの例では、1~2年後に自然経過で元の通りに戻ります。舟状骨が足の骨の中でも重要な役割を持っているため、歩行障害を生じることもあります。
成長期の子供に足の痛みの訴えがある場合は、小児整形外科を受診し適切な治療や経過観察を受けるべきです。
医師による診断では、X線写真を撮ると舟状骨の偏平化が見られます。リウマチ性疾患、捻挫(ねんざ)、骨髄炎との鑑別が必要ですが、X線像から区別は容易です。
治療では、軽度の場合、中足部にパッドを着けた厚い中敷きを作って靴に入れ、舟状骨、土踏まずへの体重負荷を減らして痛みを軽くし、他の疾患がないか時々X線写真で確認します。室内では自由に歩行して差し支えありませんが、激しい運動や、長距離の歩行などは控えめにします。
一般に予後は良好で、数カ月から数年で痛みもX線写真上の変化も消え、後遺症は残りません。万一、痛みが残った場合には別の疾患を考える必要があります。
痛みが強い場合、歩行用ギプスで3~6週間安静を保ちます。その後は軽度の場合と同様、靴の中敷きを用います。
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