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呑気症

唾液とともに空気を飲み込む量が増え、げっぷや腹部膨満感が現れる状態

呑気(どんき)症とは、唾液(だえき)とともに空気を飲み込む量が増え、げっぷや腹部膨満感が現れる状態。空気嚥下(えんげ)症とも呼ばれます。

頻度は多くありませんが、ほとんどは精神的な要因によって生じ、治療は難しいことがあります。

また、呑気症に加えて、無意識のうちに奥歯を噛(か)みしめる動作による緊張が首や肩に波及し、肩凝り、側頭部痛、頭痛、あごや目の痛み、腕のしびれなどをもたらすことがあり、これを噛みしめ呑気症候群と呼びます。

正常な人でも、食事の際に食べ物と一緒に多少の空気を飲み込みますが、呑気症の人では、食べ物の摂取とは無関係に無意識に大量の空気を嚥下します。

精神的に不安定な状態である抑うつ、神経症(神経症性障害)、ヒステリーなどの時に、起こりやすくなります。そのほかには、呼吸不全、心不全などを起こした時に現れることもあります。原因については、ほかの機能性疾患に比べて明らかにされているとはいいにくいのが現状です。

異常に大量の空気を繰り返し飲み込むことによって、げっぷや腹部の膨満感、上腹部の不快感、腹鳴、吐き気などの症状を起こします。上腹部の不快感を紛らわすために空気の飲み込みを繰り返すことが多く、食道や胃に飲み込んだ空気を繰り返しげっぷとして吐き出す習慣があります。げっぷをしても、必ずしも腹部の膨満感が軽減するわけではありません。

同様の症状が食道や胃腸などの消化器官の疾患でも起こることがあるので、まず消化器科を受診することが勧められます。消化器官に器質的疾患がないことが判明したら、まず心配はありません。どうしても気になる場合は、心療内科や精神科を受診することが勧められます。

噛みしめ呑気症候群の場合は、口腔(こうくう)外科、歯科を受診するとよいでしょう。

呑気症の検査と診断と治療

消化器科、あるいは心療内科、精神科の医師による診断では、まず腹部X線(レントゲン)検査、胃X線造影(胃バリウム)検査あるいは内視鏡検査、腹部超音波(エコー)検査、腹部CT(コンピュータ断層撮影)検査などを行い、食道や胃腸などの消化器官に器質的な疾患がないことを確認します。

消化器科、あるいは心療内科、精神科の医師による治療では、原因が未解明で特有の改善方法がないため、症状の理解、空気を嚥下する習慣や食生活の改善、不安や緊張の緩和などを図ります。食事はゆっくりとよく噛んで食べるようにすること、ビール、炭酸飲料、甘い物、脂の多い物、香辛料などは避けるようにすることを勧めます。

薬物療法としては、比較的症状の軽い場合には消泡薬、消化酵素薬、消化管機能改善薬などを使用し、重い症状の場合には抗うつ剤や抗不安剤などの向精神剤を使用します。

噛みしめ呑気症候群では、マウスピース(スプリント)の装着によって症状が改善する場合があります。

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