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テオブロミン
テオブロミンとは、カカオ、コーラ、ガラナの種子や、マテ茶などに含まれているアルカロイドの一種。アルカロイドとは、植物体に存在する、窒素を含む特殊な塩基性成分の総称で、一般に少量で動物に対して強い生理作用を持ちます。
テオブロミンという名前は、カカオ豆の学名であるテオブロマ・カカオ(Theobroma Cacao)が由来となっています。チョコレートやココアは、カカオ豆を原料にして作られており、ほろ苦い香り成分がテオブロミンに相当します。
コーヒー、緑茶の成分であるカフェインの仲間で、素晴らしい効能が認められており、利尿薬、血管拡張薬、降圧薬、中枢神経刺激薬などの医薬品の成分にもなっています。
テオブロミンの構成要素はカフェインとほぼ同じですが、カフェインに比べて興奮作用がずっとマイルド。脳に直接働き掛けて穏やかに刺激することで、精神状態を安定させる鎮静作用があり、幸福感をもたらす脳内神経伝達物質のセロトニンに働き掛けます。集中力や記憶力、思考力を促進させる作用も、体にもたらします。
つまり、チョコレートを食べたり、ココアを飲んだりすると、気分をリラックスさせたり、集中力などを高めたりできるわけです。
また、テオブロミンは、末梢(まっしょう)の動脈を拡張させ、毛細血管の血流量を上げ、体温を上昇させて酸素や栄養素を行き渡らせ、エネルギーの消費量を上げます。このことは肌の健康にもよく、冷え性やむくみを改善し、肝機能の向上にも効果をもたらします。
さらに、テオブロミンには、強心作用、腎(じん)血管の拡張、尿細管の再吸収抑制などの働きで、利尿効果が期待されます。腎性および心性のむくみに利尿薬としても用いられており、体の余分な水分を排出することで高すぎる血圧を下げる効果もあります。
そのほか、テオブロミンには、咳(せき)止めに使われる薬剤の「コデイン」に勝るとも劣らぬ効果があることがわかっています。コデインなどと同様に、人間の脳に働き掛けて咳を抑える効果を発揮し、肺にも作用して咳を止める働きをするとされています。
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