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衝突性外骨腫

サッカー選手に多くみられ、足関節内の骨の増殖変化により骨の棘ができ、足首周辺が痛む疾患

衝突性外骨腫(がいこつしゅ)とは、足関節内の骨の増殖変化により骨の棘(とげ)ができて盛り上がり、足首の前方や後方、内側が痛む疾患。フットボーラーズアンクルとも呼ばれます。

足首を酷使するサッカー選手やラグビー選手に多く起こるスポーツ障害で、バスケットボール、ハンドボールなどのスポーツ選手にもよく起こります。

サッカー、ラグビーでは、足首を反らしたり、伸ばしたり、すなわち足首の背屈と底屈を繰り返すキック動作や、急激なダッシュやストップやターンなどの方向転換動作が、衝突性外骨腫を引き起こします。

一方、バスケットボール、ハンドボール、バレーボール、器械体操などでは、足首の背屈と底屈を繰り返すジャンプ動作や、急激なダッシュやストップやターンなどの方向転換動作が、衝突性外骨腫を引き起こします。

キック動作、ジャンプ動作、方向転換動作が繰り返されることで、足首や踵(かかと)の関節を作る骨と骨がぶつかることが繰り返されると、骨軟骨の損傷を起こし、骨の増殖変化が生じて、足首の骨に本来ないはずの棘ができます。この骨の棘が足関節運動の際の障壁となって可動範囲が制限されたり、骨の棘の刺激によって足首の前方や後方、内側に痛みや炎症を生じます。

サッカーでは、底屈で発生することが多く、アキレス腱(けん)側に痛みが出て足首が十分に底屈できなくなります。バスケットボールなどでは、逆に背屈で発生することが多く、足首の前面に痛みが出て十分に背屈できなくなります。

また、捻挫(ねんざ)を繰り返して足首が緩くなっているサッカー選手などは、足首の関節が不安定で、通常よりも動きが大きく出るために、骨と骨がぶつかりやすくて関節面を傷付け、傷付いた関節面では修復反応により骨が増殖され、やがて骨の棘ができるため、よく衝突性外骨腫を引き起こします。

症状が重い場合は、骨の棘の衝突によって可動域が制限され、足首の背屈や底屈ができなくなることもあります。さらに、骨の棘が骨折した場合は、関節遊離体(関節ねずみ)となって足関節の中をあちらこちらと移動するため、関節の透き間に挟まって激しい痛みを起こしたり、足関節の運動が不能となることもあります。

衝突性外骨腫の検査と診断と治療

整形外科、形成外科、ないし足の外科の医師による診断では、衝突性外骨腫の好発部位を触診すると、骨の棘による盛り上がりを感じることもあります。

骨の棘の位置やサイズを確認するためには、X線(レントゲン)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査を行います。骨の棘の形成は、脛(すね)の骨である脛骨(けいこつ)下端の前面、足首の一番上の骨である距骨頸部(きょこつけいぶ)前面、距骨後方のほか、距骨内外側部、内くるぶし、外くるぶしに見られることがあります。

整形外科、形成外科、ないし足の外科の医師による治療では、痛みの強い急性期は、痛み、はれに対して局所の安静とアイシング、その後ホットパック、超音波、低周波などの物理療法を行います。足関節の可動を制限するためのテーピングやサポーターなどの装具も有効です。

痛みが強い場合は、ヒアルロン酸やステロイド剤の注入も行います。

保存療法で症状が改善しない場合や、骨片が関節遊離体となった場合は、手術で骨の棘や関節遊離体を切除、摘出することがあります。

初期のリハビリテーションは、足関節の非荷重可動域訓練から開始します。次に、チューブによる軽い負荷をかけた足関節の運動を行い、エアロバイク、プール歩行へと徐々に負荷を増していきます。

根気強く治療とリハビリを続ければ、足関節の可動域の制限は残るものの予後は比較的良好で、骨の棘が存在しても日常動作に支障がないことが多く、また運動時においても、サポーターやテーピングで足関節を固定すれば問題がないことがほとんどです。

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