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足舟状骨骨折
足部の内側縦アーチの頂点に位置する舟状骨に生じる骨折
足舟状骨(そくしゅうじょうこつ)骨折とは、足部の内側縦アーチ(土踏まず)の頂点に位置する舟状骨に生じる骨折。
足部の舟状骨は、船底のような湾曲をしているため、船のような格好の骨ということで舟状骨といいます。足部の内側縦アーチの頂点に位置し、また距骨(きょこつ)との間で距舟関節、距骨と踵骨(しょうこつ)との間で距踵舟関節、内側楔状骨(きつじょうこつ)と中間楔状骨と外側楔状骨との間で楔舟関節を形成しており、体重を支えたり、足のけり出しの際などに重要な骨です。
足舟状骨骨折は、受傷した部位により骨体部骨折、背側近位関節縁骨折、結節部骨折の3種類に分けられます。
骨体部骨折は、直接もしくは間接的に舟状骨に外力が加わって生じる骨折です。発生頻度としては非常にまれですが、発症した時は重症であり、ほかの2つの骨折より痛みが残存しやすいという特徴があります。
背側近位関節縁骨折は、足の裏を内反させた形で受傷しやすく、舟状骨を距舟靭帯(じんたい)に引っ張られて生じる剥離(はくり)骨折です。足舟状骨骨折の中では、最も多く生じています。
結節部骨折は、足の裏を外反させた形で受傷しやすく、舟状骨を後脛骨筋腱(こうけいこつきんけん)に引っ張られて生じる剥離骨折です。
背側近位関節縁骨折と結節部骨折はともに、足関節を捻挫(ねんざ)した時に合併しやすいという特徴があります。
足舟状骨骨折を起こすと、舟状骨部の圧痛があり、明らかなはれがみられます。背側近位関節縁骨折では、足関節の内反により痛みが生じるため、歩行によって痛みが生じる場合もあります。結節部骨折では、足関節の内側、内くるぶしの後方から下方を通っている後脛骨筋の収縮、伸張により痛みが発生します。
舟状骨は内側縦アーチを形成する重要な骨であるため、受傷後の治癒が遅れると内側縦アーチの低下がみられる場合があるため、速やかに整形外科などを受診することが勧められます。
足舟状骨骨折の検査と診断と治療
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による診断では、問診で骨折の受傷状況を聞き、舟状骨背側に圧痛が局在していれば背側近位関節縁骨折、舟状骨内側に圧痛があれば結節部骨折を疑います。
足関節の捻挫に合併している場合は、捻挫損傷部だけにとらわれて、足舟状骨骨折を見逃さないよう注意します。また、X線(レントゲン)検査を行い、足舟状骨を3方向から撮影します。場合により、CT(コンピュータ断層撮影)検査も利用します。
整形外科、ないし形成外科、足の外科の医師による治療では、3種類の骨折にかかわらず、一般的には保存療法を行います。8週間程度の安静と、足関節のギプス固定によって、骨癒合を図ります。
骨体部骨折で、骨の位置が強くずれる転位があるものや、関節部ではないのに関節のように動くようになる偽関節があるものでは、経皮的骨接合術や内固定術などの骨接合術を行います。
固定による安静期間の間に、筋力の低下や骨委縮が起こるので、徐々にリハビリを開始します。
骨癒合が得られた後は、内側縦アーチを守るため、足底板をシューズに入れることを勧めることもあります。アーチを支える構造になってる足底板は、内側縦アーチにかかる負荷を小さくすることができます。
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