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シンディング・ラーセン・ヨハンソン病

成長期の子供にみられ、膝の皿に相当する膝蓋骨の下端に、炎症や石灰化、剥離骨折などを生じる障害

シンディング・ラーセン・ヨハンソン病とは、膝(ひざ)の皿に相当する膝蓋骨(しつがいこつ)の下端に、炎症や石灰化、部分的に骨がはがれる剥離(はくり)骨折などを生じる障害。発育が盛んな時期の子供、特に10~13歳くらいの発育期の男子に好発します。

1921年にシンディング、ラーセン、ヨハンソンの各医師がそれぞれ発表したため、この名称が付いています。

足を頻繁に使うスポーツなどで症状が誘発されることもあるため、スポーツ障害の一つとしても考えられています。また、成長期の子供の軟骨に障害が起き、痛みを伴う骨端(こったん)症の一つにも数えられています。

成長期の子供では、膝の皿に相当する膝蓋骨の骨形成が成長過程にあり、膝蓋靭帯(じんたい)とも呼ばれる膝蓋腱(けん)よりも膝蓋骨の強度が弱いために、走る、ジャンプする、ボールをける、しゃがむなどの繰り返し動作で、骨形成に必要な骨端軟骨という軟骨組織が上下に引っ張られて、炎症や石灰化、部分的な剥離骨折などを生じます。

 シンディング・ラーセン・ヨハンソン病を生じると、膝蓋骨の下端の圧痛、その周囲のはれ、運動時の痛み、階段を上り下りする時の痛み、膝をついて体重をかける時の痛みなどを覚えます。

成長とともに治る場合も多いのですが、できれば整形外科を受診し、症状によってはスポーツ活動を中断して回復を待ったほうがよいこともあります。とりわけ、骨端軟骨が部分的な剥離骨折を起こした場合、その後の膝蓋骨の成長に異常を来す場合があります。

シンディング・ラーセン・ヨハンソン病の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、発育期の10〜13歳くらいで発症することと、X線(レントゲン)検査の撮影画像で膝蓋骨の下端に石灰化像が見られることで、判断します。ただし、発症初期などでは撮影画像で異常が見られない場合もあり、ジャンパー膝(膝蓋靱帯障害)と診断されることもあります。

整形外科の医師による治療では、走ったり、ジャンプできないなどの強い痛みがある場合や、安静にしていても痛い場合は、スポーツ活動を一時中断して、安静にします。安静期間は、運動時にかなり強い痛みを伴うような場合は3~6カ月程度、軽度な痛みの場合は3~4週程度です。

その間は、テーピングを施したり、サポーターを装着し、電気治療、超音波治療やストレッチなどを行い、痛みを和らげます。

スポーツ活動の継続を強く希望する場合は、テーピングなどの補強で可能な場合もありますが、運動終了後のアイシングや固定などのケアも合わせて行うことが必要です。

予後は良好で、成長とともに体が完成し、膝蓋骨の形成が完成されれば再発も起こりません。

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