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性病(2)
梅毒の病原体はトレポネーマという微生物で、皮膚や粘膜の傷を通して体内に侵入し、感染が成立します。先天梅毒と後天梅毒に分けられます。
先天梅毒は、梅毒に感染した母親から胎盤を経由して、胎児に感染します。胎児が妊娠早期に感染すると、死産または早産になります。出産できた場合は生後数週、あるいは学童期、思春期になって内臓、歯、皮膚、中枢神経などにさまざまな病変を来たします。先天梅毒予防のために、産婦人科では妊娠早期に母体の梅毒の検査をしており、今日の日本ではほとんどみられない疾患です。
後天梅毒は、性行為または性行為類似の行為によって感染します。最初は感染部位の皮膚に発疹(はっしん)の症状が現れ、後に全身に波及します。感染後3カ月までの第1期、3カ月から3年までの第2期、3年以上経た第3期、10年以上経過した第4期に分類されます。第4期では、もう皮膚の発疹は見られず、内臓の病変が中心になります。
医師による治療では、ペニシリン系抗生物質を2~3週間内服します。梅毒血清反応は治療してもなかなか低下せず、陰性化には数カ月~数年かかります。梅毒血清反応の低下を指標にしていると、抗生物質の長期投与になってしまいます。
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