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先天性白皮症

先天的にメラニン色素の合成能力に障害がある疾患

先天性白皮症とは、先天的にメラニン色素の合成能力に障害があり、皮膚や毛が白くなる疾患。白皮症、白子症とも呼ばれます。

まれな疾患で、2万人に1人の割合で発症しますが、世界中、あらゆる人種でみられます。原因は、メラノサイト(色素細胞)内にあるメラニン顆粒(かりゅう)合成に関与するチロシナーゼなどの酵素の異常のために、メラニン色素の合成ができないことにあります。

目、毛髪、皮膚と全身の色素ができない全身性の先天性白皮症と、額と体の一部の皮膚が対称的、部分的に白くなる限局性の先天性白皮症の二型があります。全身性の先天性白皮症では、チロシナーゼの活性が全くないために全くメラニン色素を作ることができません。限局性の先天性白皮症では、チロシナーゼの活性があって多少のメラニン色素を作ることができます。全身性の先天性白皮症は劣性遺伝、限局性の先天性白皮症は優性遺伝をします。

全身性の先天性白皮症の人(アルビノ)は、出生時より毛髪が白く、皮膚は白色調となります。目は薄い青色調となり、網膜血管の赤い色が透けて赤く見えます。目や皮膚を日光から守る働きを持つメラニン色素がないため、光に対して大変まぶしがります。また、視力の低下が現れ、不随意の眼球運動が現れることもあります。

紫外線に弱く、すぐに日焼けをして赤くなりますが、黒くはなりません。中年以後に、日光の当たる部位に皮膚がんが発生することがあります。チロシナーゼ活性がある限局性の先天性白皮症の人では、毛は黄色調となる場合もあります。皮膚だけに症状が現れる場合や、目だけに症状が現れるという場合もあります。特殊なタイプとしては、出血しやすいような症状を伴ったり、感染症を繰り返すタイプもあります。

先天性白皮症の検査と診断と治療

皮膚科や眼科での診断は、その特徴的な見た目から容易に行うことができます。チロシナーゼ活性があるかどうかについては、毛髪を用いて検査ができます。詳しい疾患の分類についての遺伝子検査が行われる場合もありますが、治療に役立つものではありません。

先天性白皮症には、現在のところ根本的な治療法はありません。視力の低下には、矯正ですむ場合もありますが、強度の視力低下が見られる場合もあります。

先天性白皮症の人は、目と皮膚への影響を極力避けるため、日ごろから直射日光にに当たらない工夫が必要です。外出時には、帽子をかぶり、サングラスをかけて、長そでと長ズボンを身に着け、紫外線のブロック効果の最も高い日焼け止めを塗るといった方法を取ります。予防を行っていたとしても、長い時間直射日光に皮膚をさらすことは避けるべきです。

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