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セックス依存症

性的な行為におぼれ、自らのコントロールを失う精神疾患

セックス依存症とは、セックスに限らず性的な行為におぼれ、自らのコントロールを失う精神疾患。性依存症とも呼ばれます。

日本ではいまだ認知度が低いものの、アメリカでは薬物やアルコール依存症と同じく代表的な依存症の一つとして、ホルモン療法などによる治療が行われています。

薬物がやめられない薬物依存症、酒がやめられないアルコール依存症と同じく、性的な行為がやめられない強迫性を持ち、自らの意思で興奮や刺激を求める性衝動をコントロールできなくなります。依存する対象には、実際に相手のある性交渉だけでなく、自慰行為やポルノへの過度な耽溺(たんでき)や収集、強迫的な売買春、乱交、露出、のぞき行為、盗撮、性的ないたずら電話、インターネットを介したアダルト・チャットなどすべての性的な行為が含まれます。

何らかのストレスや落ち込み、心理的な問題などで苦しんでいる状態で、セックスなどの性的な行為によって救われるという経験をすると、その快感を求めて繰り返すことになるのが主な原因。緊張感からの解放、現実やストレスからの逃避、生きていることの自己確認、男らしさ女らしさの証明など、いろいろなものが誘因となります。

セックス依存症のリスクとしては、性病、金銭的な負担、不倫などによる社会的地位の喪失、性犯罪などによる逮捕、異性関係を巡っての配偶者との不和、子供などの家族への虐待、性行為をしていない時の空虚感、不安感、焦燥感などが挙げられます。

なお、性的な行為への依存を依存症の一つとして位置づけられるのかどうか、また、どのあたりに正常と依存症の境界を引くかなど、アメリカでも1970年代から長い間論争が続いています。依存症ではなく行動制御障害であるという説もあり、セックス依存症という概念を一切認めないとする考えを持つ人々も存在します。

セックス依存症の検査と診断と治療

セックス依存症で苦しんでいる場合は、精神科、心療内科、あるいはメンタルクリニックを受診します。また、各都道府県に設置されている精神保健センターには相談できる部門がありますので、予約の上、精神科医、臨床心理士(カウンセラー)の面接を受けることができます。

医師の側は、依存症に至った原因を探り、薬物療法や精神療法などの方法で矯正を図ります。薬物療法では、精神安定剤、抗うつ剤、抗不安剤、睡眠薬などが処方され、精神療法では、臨床心理士によるカウンセリングや催眠療法、各種療法が行われます。

また、同じような境遇の人々が集まり、お互いに影響を与えるセックス依存症の自助グループに参加することが、有効な場合もあります。日本でも小規模ではありますが、首都圏にグループがあり、定期的に集まるなどして個々に快復へ向けた活動を続けています。

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