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器質性便秘

腸や肛門の疾患、あるいは腸の先天的異常などが原因で引き起こされる便秘

器質性便秘とは、腸や肛門(こうもん)の腫瘍(しゅよう)や炎症、閉塞(へいそく)などの疾患、あるいは先天性巨大結腸症のような腸の長さや大きさの先天的異常などが原因で引き起こされる便秘。

便秘とは通常、排便回数が少なく、3日に1回未満、週2回未満しか、便の出ない状態を意味します。便が硬くなって出にくかったり、息まないと便が出なかったり、残便感があったり、便意を感じなかったり、便が少なかったりなど多様な症状も含みます。便の水分が異常に少なかったり、うさぎの糞(ふん)のように固い塊状なら便秘です。

器質性便秘を引き起こす原因となる疾患としては、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍(かいよう)性大腸炎、クローン病、腸閉塞(イレウス)、腸捻転(ねんてん)、腸狭窄(きょうさく)、腸管癒着、大腸憩室、後腹膜腫瘍、子宮筋腫や卵巣嚢腫(のうしゅ)が腸を圧迫する腸管外性圧迫、直腸がん、直腸ポリープ、直腸脱、直腸重積(じゅうせき)、直腸瘤(りゅう)、痔(じ)、肛門周囲腫瘍などがあります。

器質性便秘を引き起こす原因となる腸の先天的異常としては、先天性巨大結腸症(ヒルシュスプルング病)、S字結腸過長症などがあります。

大腸がん、大腸ポリープでは、がん細胞やポリープが大きくなるにつれて腸管が狭くなり、便の通過が妨げられて便秘が起きます。便に血や粘液がついたり、便の形がいびつになります。

腸管癒着では、腸管の癒着によって便の通過が妨げられて便秘が起きます。虫垂炎などによる腹部手術後に、腸管癒着がみられることもあります。

大腸憩室では、大腸壁に袋状のくぼみができて便が入り込み、炎症を起こすと腸管が狭くなって便秘が起きます。

先天性巨大結腸症では、先天的な腸異常によって結腸の閉塞を起こし、幼児期から便秘が続きます。

S字結腸過長症では、先天的に結腸が過度に長く、合併症としてしばしば腸捻転を併発し、幼児期から便秘が続きます。

器質性便秘は、疾患によって引き起こされた2次的疾患であるといえます。便秘以外の諸症状が出ている場合は、市販の便秘薬や浣腸(かんちょう)、腹部マッサージなど、腹部に刺激を与えるタイプの便秘解消法を行うと、原因疾患に悪影響を及ぼすことがあります。

それまで規則的であった排便が便秘に変化した場合や、便に血が混じる場合、腹痛を伴うような場合は、器質性便秘が疑われるので、早めに肛門科、あるいは消化器科、婦人科を受診し検査を受ける必要があります。

器質性便秘の検査と診断と治療

肛門科、あるいは消化器科、婦人科の医師による診断では、問診による病歴の聞き取りに続いて、腹部の触診、直腸の指診を行います。

腹部の触診では、腹部腫瘍の有無、腹筋の筋力をチェックします。直腸の指診では、肛門部病変、肛門と直腸の狭窄あるいは腫瘍、直腸内の便の有無、便の潜血反応を調べます。

通常の検査として、検便、検血、腹部X線(レントゲン)検査を行い、便秘が持続していたり腹痛がある場合には、肛門から腸の中に軟らかい造影剤を注入してX線撮影をする注腸造影検査、あるいは大腸内視鏡検査を行い、がんやポリープ、炎症性腸疾患などをチェックします。

腹部腫瘍、腸閉塞などが疑われる場合には、腹部超音波(エコー)検査やCT(コンピュータ断層撮影)検査を行います。

肛門科、あるいは消化器科、婦人科の医師による治療では、器質性便秘を引き起こす原因である1次的疾患を治すことが中心となります。1次的疾患を治し、その後ふだんの生活に戻れば便秘も解消することがほとんどです。

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