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5qモノソミー

5番染色体の長腕の一部分が欠損していること、また、それが原因で引き起こされる障害

5q(ごきゅー)モノソミーとは、22対ある常染色体のうち、5番染色体の長腕(5q)の一部分が欠損していること、また、それが原因で引き起こされる障害。5q欠失症候群、5qー(まいなす)症候群とも呼ばれます。

常染色体は性染色体以外の染色体のことであり、人間の体細胞には22対、44本の常染色体があります。それぞれの常染色体はX型をしていて、短腕(p腕)と長腕(q腕)という部分があり、5番染色体の長腕の末端の一部分が欠損している状態が、5qモノソミーに相当します。

5qモノソミーでは、骨髄にある血液細胞の源に当たる造血幹細胞に異常が生じて造血障害を起こすため、赤血球が通常よりも大きくなる大球性貧血を特徴とする骨髄異形成症候群の一種を起こします。まれに急性骨髄性白血病に進行することもあります。

一般に男性に多く、大球性貧血を特徴とする骨髄異形成症候群の中では、5qモノソミーが引き起こす骨髄異形成症候群の一種は珍しく女性に多く、とりわけ中高年女性に多くみられます。

原因は、5番染色体の長腕の一部分が欠損しているために、リボソーム(リボゾーム)タンパク遺伝子を欠失し、細胞質内のタンパク質合成の場となる細胞小器官であるリボソーム合成の機能不全に陥ることにあります。

発症すると、倦怠(けんたい)感や、青白い顔色、息切れ、動悸(どうき)といった一般の貧血と同じ症状が出てきますが、輸血が不可欠になるほどの高度な貧血を示すことが多く認められます。

5qモノソミーの検査と診断と治療

内科の医師による診断では、血液検査により、芽球といわれる未熟細胞の増加を認めず、白血球に形態異常を認め、中でも小型で単核の巨核球の増加により5qモノソミーを疑い、染色体検査により、5番染色体の長腕欠損を検出することにより確定します。

内科の医師による治療は、高度な貧血を示すことが多いため、輸血を中心に行います。輸血で貧血症状の緩和は容易ですが、継続的に輸血が必要となり輸血依存性のさまざまな問題が生じることがあります。

近年、新規に開発されたレナリドミド(レナリドマイド)という薬の服用が極めて有効であることが確認され、貧血が改善し輸血が不要になるという高い有効率を示しています。

しかし、レナリドミドは睡眠鎮静剤のサリドマイドの改良薬で、妊婦が服用することによって胎児に奇形を生じたサリドマイドの催奇形性を軽減したもので、妊婦は絶対に服用できません。

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