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介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設とは、介護保険法に基づいて施設介護サービスを提供する介護保健施設の一つで、都道府県知事が許可する介護施設のこと。老人保健施設、老健とも呼ばれます。

介護保健施設には、この介護老人保健施設と、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム、特養)、介護療養型医療施設の3つがあり、介護保険3施設と呼ばれています。介護老人福祉施設と介護療養型医療施設が、介護保険法に基づく指定であるのに対し、介護老人保健施設は許可制です。

介護老人保健施設は、病院などに入院するほどではないがリハビリテーションなどの医療的ケアが必要な、介護度1〜5の認定を受けた65歳以上の高齢者を対象としています。

介護を必要とする高齢者の自立を助け、リハビリテーションなどにより家庭で生活していけるように支援する施設です。これを逆からみると、リハビリテーションの対象外の人は入所できませんし、現状のリハビリテーションを継続できない場合には退所せざるを得ないということになります。

全国に約3500施設あり、現状ではほとんどが医療法人の運営となっています。

本人の自宅復帰の目標に向かい、医師による医学的管理を基準にした看護、介護、リハビリテーション、栄養管理、食事、入浴などの日常サービスを併せて提供し、夜間でも安心できる施設となっています。

ただし、医師や看護師がいる施設なので医療面ではよいものの、介護老人保健施設に入所中は、原則として他の病院にかかることはできません。急病の場合は、連携する病院などで治療を受けることになります。

病院での治療を終了後、多少の障害が残り、いきなり家に帰って生活するには、本人も家族も不安が残る場合があります。そのような場合、3〜6カ月程度を目安に入所して、施設に常勤している理学療法士や作業療法士らによる自立機能向上を目的としたリハビリテーションや、介護方法や介護用品の使い方の指導などが行われます。

一定期間ごとに自宅復帰が可能かどうかの入退所判定が行われ、可能なら帰宅ということになります。

このように病院から在宅への掛け橋となるという意味で、介護老人保健施設は中間施設とも呼ばれ、介護保険3施設の中でも中間的な位置付けとなっています。

そのため職員も介護老人福祉施設より多い看護師と、医師、理学療法士、作業療法士といったリハビリテーション専門職も勤務しています。原則は、自宅復帰を目標としているため、入所者は要介護3以上が半数以上と介護老人福祉施設より要介護度が低くなっていますが、現状は自宅での受け入れが困難などの理由から、介護老人福祉施設への入所を待つ長期入所者が増えています。

治療や検査内容などで料金が変わってくる一般病院とは違い、入所期間に応じた定額の料金方式になっています。月当たりの介護保険自己負担額は、要介護1で約2万3000円、要介護度5で約3万円。これに食費4〜5万円、居住費約1万円(個室なら5〜6万円)と、日常生活費(洗濯代、おむつ代)が加わり、総額10〜15万円ほどになります。

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