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結膜下出血
突然、目の白目に赤い出血斑が現れる状態
結膜下出血とは、突然、目の白目に赤い出血斑(はん)現れる状態。白目の一部分がわずかに赤く見えるもの、黒目の回りが真っ赤になるものなどがあります。
目をぶつけたり、強くこすったりした時、または、そのような原因が思い当たらない場合にも起こります。通常は痛み、かゆみなどの自覚症状はないため、朝起きて鏡を見て見付けたり、周囲の人に指摘されたりして気が付くこともよくあります。
赤い出血斑は、白目の表面を覆っている眼球結膜に存在する大小の血管が破れて、結膜の下に広がったものです。小さな点状のものから、斑状、時に眼球結膜全体を覆う広範なものもあります。また、血腫(けっしゅ)を作ることもあります。
通常の出血では多少、目がごろごろする程度で、ほとんど痛み、かゆみ、目やになどの症状は伴いません。また、眼球内部に血液が入ることはないため、目が見えにくくなったり、視野が狭くなったりすることもありません。
普通は、1〜2週間で自然に吸収されてきれいな白目に戻ります。出血斑の状態は、赤色、茶褐色、黄色、白色と変化することになります。まれに、茶褐色が比較的長期間残ることがあります。中には、出血が自然に吸収されてきれいな白目に戻るまで、2〜3カ月かかるものもあります。時間はかかりますが、出血は吸収されますので心配はいりません。
多くの場合、結膜下出血は特別な治療の必要はなく、放置しておいてもかまいませんが、目に外傷を受けた場合、痛みやかゆみ、目やにを伴う場合、頻繁に繰り返す場合、熱を伴う場合は、自分の症状をしっかりと眼科医に伝えアドバイスを受けます。
なお、出血と充血の違いを挙げると、出血は血管が破れて血液が出たもので、血管の走行が見えません。一方、充血は細い血管が拡張した状態で、血管の走行が見えます。充血の場合は、血管収縮剤を使うと赤みが少なくなります。
結膜下出血の検査と診断と治療
結膜下出血で痛みやかゆみ、目やにを伴う場合、頻繁に繰り返す場合には、高血圧症や動脈硬化症、出血しやすくなる疾患などの有無を検査します。
医師の治療では、目の疾患や全身性疾患が要因になっている場合は、原因疾患の治療を行います。目に外傷を受けている場合は、感染の予防などのため直ちに穿孔(せんこう)部を閉じる必要があります。隠れた目の外傷があって結膜下出血がなかなか消えない場合も、穿孔部を閉じる必要があります。
出血が止まっても赤目が広範で長引いているひどい場合は、吸収促進のために血栓溶解剤などを結膜下注射することもあります。
ほとんどの場合、結膜下出血が起こった後に眼底出血が起こることはありません。しかし、動脈硬化、高血圧、糖尿病、出血性素因(貧血、白血病、紫斑病など)、腎炎(じんえん)に伴って起こるような疾患が原因の場合は、眼底出血が起こり、失明することもありますので注意が必要です。
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