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眼瞼外反症
まぶたが外側へ湾曲し、まぶたの裏の結膜が露出
眼瞼(がんけん)外反症とは、まぶたが眼球表面から離れるように外側へ湾曲して、まぶたの裏側の結膜が露出した状態。
原因としては、外傷、やけど、紫外線障害などの傷跡が引きつって起こる場合、顔面神経まひのために下まぶたが外側を向く場合、まぶたを取り巻いている眼輪筋や靭帯(じんたい)の緊張が低下して、眼瞼のバランスが崩れることによる場合、老人性の皮膚弛緩(しかん)によって、まぶたの皮膚が相対的に不足してくることで生じる場合などがあります。
結膜や黒目が空気にさらされるために、結膜は充血して肥厚し、黒目は乾燥して白く濁ることがあります。涙があふれたり、目やにが出て、眼球の表面を覆う角膜に障害を起こすと、異物感やまぶしさ、痛みなどが現れます。視力や視野が直ちに障害を受けることはありませんが、重度に外反すると、結膜の疾患が起きて視力低下、失明に至ることもあります。
また、重症の場合は、まぶたが閉じなくなる兎眼(とがん)を生じることもあります。 兎眼になると、目の表面が強度に乾燥して、角膜に点状表層角膜症や角膜混濁を生じ、極端な例では角膜潰瘍(かいよう)となったり、細菌や真菌の感染を伴うこともあります。
眼瞼外反症の検査と診断と治療
眼瞼外反症の治療は原因療法を行い、角膜や結膜の障害が軽度であればドライアイ治療に準じて、点眼剤や眼軟こうで治療します。障害が中等度〜高度であれば、手術治療が必要となってきます。
顔面神経まひによるものは、その原因を検索するためにCTやMRIで頭部の断層写真を撮影し、目の治療については、顔面神経まひが軽快してくるまでの間、目の表面が乾燥するのを防ぐため、軽症では防腐剤を含んでいない人工涙液を頻回に点眼したり、中等症では抗菌剤眼軟こうを入れて眼帯をします。重症の兎眼になると、目を閉じた上から透明な専用保護膜を張ったり、上と下のまぶたを一時的に縫い合わせたりします。
眼輪筋や靭帯の緊張低下によるもの、老人性の皮膚弛緩によるものは、眼瞼の縦方向、横方向の緩みを修正するだけで治癒することも多いのですが、皮膚が大きく不足している場合は、傷跡の引きつれによるものと同じく、まぶたの前葉(皮膚に近い側)と後葉(眼球に近い側)のバランスを整えるために、耳介後部の皮膚などを使う自家皮膚移植で治療します。緊張が低下した筋肉や靱帯を修復する手術も行われます。いずれも日帰り手術となります。
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