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ワイル病
ワイル病は、黄疸(おうだん)出血性レプトスピラが犬や鼠(ねずみ)に感染し、その尿に汚染された水や土から経皮的、経口的に人間へと感染する病気です。レプトスピラとは、螺旋(らせん)状の特殊な細菌の一群であるスピロヘータの一種です。
ドイツの医師ワイルにより、1886年に初めて報告され、日本の稲田龍吉、井戸泰両博士により、1915年に世界で初めて病原体が発見されました。
日本では「秋疫(しゅうとう)」、「七日病(なのかびょう)」と呼ばれる地方病として、農作業や土木従事者の間で発症していましたが、現在は沖縄県で散発性に発生するのみです。
ワイル病を含め、レプトスピラによる感染症を総称して「レプトスピラ病」と呼びますが、国外では現在でも、全世界的にレプトスピラ病が流行しています。ブラジル、ニカラグアなどの中南米や、フィリピン、タイなどの東南アジアといった、熱帯、亜熱帯の国々での大流行が挙げられます。
ワイル病の症状 には黄疸のほか、出血傾向、タンパク尿、高熱、吐き気、嘔吐(おうと)、筋肉痛、結膜充血があり、進行すると腎不全、心不全が起こる場合もあります。レプトスピラ病の経過は極めて速く、ワイル病では治療開始時期が遅れるとしばしば重症化します。
治療法としては、 抗生剤を早期に投与するのが有効。感染早期ではペニシリン系、テトラサイクリン系など多くの抗生剤の効果が認められ、ストレプトマイシンが最も有効です。合併症では、その治療をします。
東南アジアなど、レプトスピラ病の流行地域へ旅行した場合には、不用意に水の中に入らないことが、予防する上で重要です。特に洪水の後は、感染の危険性が高まります。また、1999年夏に沖縄八重山地域において、観光ガイドやカヤックインストラクターなど、河川でのレジャー産業に従事する人たちの集団感染が報告されていますので、水辺のレジャーにも注意が必要です。
感染の機会があり、ふくらはぎの筋肉痛や、眼球結膜の充血を伴う発熱が現れた場合には、早急に感染症内科のある医療機関を受診します。
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【健康実用辞典】
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