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足白癬(水虫)

足に生じる感染症で、日本人の4人に1人が発症者

足白癬(はくせん)とは、真菌(かび)の一種である白癬菌で足に生じる感染症。俗に、水虫と呼ばれます。

白癬菌で全身の皮膚に生じる白癬の中では、圧倒的に多く、全白癬発症者の65パーセント程度を占めます。さらに、足白癬にかかっていても皮膚科を受診しない人も多く、日本人の4人に1人くらいがかかっているというデータもあります。

この足白癬は、趾間(しかん)型、小水疱(しょうすいほう)型、角質増殖型に病型分類されます。複数の病型を示すことも、多くみられます。

趾間型は、足の指の間に浸軟、あるいは乾いた鱗屑(りんせつ)を付着する紅斑性局面を示し、びらん(ただれ)や亀裂を伴うことがあります。小水疱型は、足の底から足の側縁にかけて、半米粒大までの集まったり癒合する傾向のある水疱、膿疱(のうほう)を伴う紅斑性局面を示します。ともに春から夏にかけて発症したり悪化しやすく、かゆみを伴うことが多いのですが、必ずではありません。角質増殖型は、かかとを中心に足の底全体の皮膚の肥厚と角化、細かく皮膚がむける落屑を特徴とします。かゆみは少なく、冬もあまり軽快しません。

足白癬を放置していると、白癬菌が爪(つめ)を侵し、爪(そう)白癬になります。爪にできることはまれと従来いわれていましたが、最近の統計によると足白癬を持つ人の半分が爪白癬も持っていることがわかりました。高齢者に多くみられます。

爪の甲の肥厚と白濁を主な特徴とし、自覚症状はありません。まれに、爪の甲の点状ないし斑(まだら)状の白濁のみのこともあります。陥入爪(かんにゅうそう)の原因の一つにもなりますが、一般にカンジダ症と異なり、爪の爪囲炎の合併はまれです。

足白癬と区別すべき主な疾患は、接触皮膚炎、汗疱(かんぽう)、異汗性湿疹(しっしん)、掌蹠膿疱(しょうせきのうほう)症、掌蹠角化症などです。炎症症状の強い足白癬の悪化時に、手あるいは白癬病変のない足に小水疱が左右対称に生じることがあります。この病変中からは白癬菌は検出されず、一種のアレルギー反応と考えられ、白癬疹と診断されます。

足白癬の検査と診断と治療

医師による足白癬(水虫)の検査では、水疱部の皮膚を水酸化カリウムで溶かし、溶けずに残る白癬菌を顕微鏡で観察する方法が一般的で、皮膚真菌検査と呼ばれます。 時には、培養を行って、原因菌の同定を行うこともあります。手足に水膨れがみられ、原因が明確になっていない汗疱との区別が、足白癬の検査では必要とされます。

治療法としては、白癬菌を殺す働きのある抗真菌薬の外用が一般的です。4週間で症状が改善しますが、皮膚が入れ替わる数カ月間の外用が必要です。広範囲のもの、抗真菌薬でかぶれるもの、爪白癬では、内服療法を行います。爪白癬の場合、少なくても3〜6カ月間の内服が必要です。肝臓に負担がかかることもあるため、肝臓の弱い人は内服できません。内服中は1カ月に1回、肝機能検査を行います。

生活上で足白癬に対処する注意点を挙げると、真菌(かび)は高温多湿を好むので、その逆の状態にすることが必要です。すなわち、蒸さない、乾かす、よく洗うといったことです。ふだんから足の清潔を心掛けることは、予防のためにも大事です。家族で他に足白癬の人がいたら、一緒に治療することが必要です。白癬菌は共用の足ふきから移ることが最も多いため、足ふきは別々にします。

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