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ウンナ母斑
新生児に多くみられ、後頭部から頸部にかけて現れる赤いあざ
ウンナ母斑(ぼはん)とは、新生児の後頭部から頸(けい)部(うなじ)にかけて現れる赤いあざ。正中部母斑の一種です。
正中部母斑には、このウンナ母斑とサーモンパッチが属し、サーモンパッチのほうは新生児の額の中央、上まぶた、上唇、鼻背など顔の中央に近い部分に現れる、紅鮭(べにざけ)の赤身に似た淡紅色ないし暗赤色のあざです。
ウンナ母斑の原因は、皮膚の真皮表層で毛細血管が拡張したり、増殖するためだとされています。毛細血管の内部の血液によって、皮膚の表面が赤く見えます。母斑には、盛り上がりなどの凹凸はなく、平らです。サーモンパッチに比して、赤みがいくぶん強く、濃淡のむらは少なく、境界線は不明瞭です。新生児の20〜40パーセントに現れると見なされています。
生まれ付き現れるものが多いため、親が経過を見守ることが、大切になってきます。欧米では、コウノトリが新生児を運んでくるとの言い伝えから、ウンナ母斑を「コウノトリのくちばしの跡」とか、 新生児の誕生を祝って天使が付けたキスマークだなどといいます。
消えるまでには時間が必要ですが、悪性になることはない上、3歳くらいまでには半数が自然に消えるとされています。成人まで残ってしまう確率は、10パーセント程度だとされています。
病変の部分によっては髪の毛で隠れることもあって、治療をしないという人も多くいます。しかし、ウンナ母斑は、病変の部分や合併する症状でスタージ・ウェーバー症候群、クリッペル・ウェーバー症候群という疾患の可能性を持っていることがあるので、治療をしない場合でも一度、皮膚科の医師を受診しておくと安心できます。
ウンナ母斑が残っている成人で、どうしても気になる人も、皮膚科の医師の治療を受けることが勧められます。
ウンナ母斑の検査と診断と治療
皮膚科の医師は通常、見た目と経過から診断します。スタージ・ウェーバー症候群やクリッペル・ウェーバー症候群が疑われる場合には、画像検査などが必要になります。
ウンナ母斑は、髪の毛に隠れて目立たない部位に生じるので、ほとんど治療をせずに経過をみます。単に色調だけを自然経過よりも早期に淡くしたい場合には、パルス色素レーザー治療を行います。ただし、毛根を焼いてしまうので、その部分の髪の毛が薄くなってしまうこともあります。0歳児でレーザー治療を始めるかは、家族の希望に従って行われます。
成人まで残っていても、悪性になることはないため、大半は治療をしません。美容的に気になる場合には、パルス色素レーザー治療を行います。パルス色素レーザー治療は、傷を残さずに赤みを消退させることができます。術後に残った傷が目立ちますので、手術を行うことはありません。
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