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オスモチン

植物由来の蛋白質で、主な働きは動脈硬化の抑制、脂肪と糖の燃焼促進

オスモチンとは、じゃがいもやトマトなどに含まれる植物由来の蛋白(たんぱく)質。動物由来の蛋白質であるアディポネクチンと似た構造をしているため、肝臓や筋肉でアディポネクチンと同じような効果を発揮するといわれています。

オスモチンは本来、植物が害虫や菌類の感染から身を守るための物質として存在しており、人間にとってはアレルギー物質となることもあります。

オスモチンを摂取すると、体内で脂肪や糖の代謝に欠かすことのできないAMPキナーゼという物質が活性化されます。AMPキナーゼが活性化される結果、脂肪や糖といったエネルギーがどんどん代謝されるため、肥満や動脈硬化の予防改善につながります。また、このオスモチンにはインスリンの働きを助け、血糖値を下げる作用があることもわかり、糖尿病の予防や改善も期待できます。

動物由来のアディポネクチンという蛋白質は、脂肪細胞から分泌されます。脂肪細胞はエネルギーを蓄えるだけのものと思われがちですが、このアディポネクチンが分泌されていることが、近年の研究でわかりました。標準的な状態では血液中に多く存在し、内臓脂肪が増加すると減少することもわかりました。アディポネクチンには、傷付いた血管を修復する作用や、アディポネクチン受容体と結合してAMPキナーゼを活性化させたりする役目があります。

肥満して内臓脂肪が増加すると、血液中のアディポネクチンの量が減少して脂肪や糖の代謝も悪くなり、さらなる悪循環が発生しますが、再びやせて脂肪細胞が小さくなれば、アディポネクチンの量も再び増加します。アディポネクチンを増やす一番の方法は、運動による減量です。

一方、アディポネクチン不足を補う一番の方法は、植物由来のオスモチンを食事で摂取することです。オスモチンはアディポネクチンに似た立体構造をしているので、体内のアディポネクチン受容体にはまり込む鍵(かぎ)の役割を果たします。オスモチンは消化・分解されにくく、そのまま肝臓や筋肉に吸収されるので、アディポネクチンと同様の働きが期待できます。

オスモチンが多く含まれている食品は、りんご、ぶどう、さくらんぼ、キウイなどの果物や、じゃがいも、とうもろこし、トマト、ピーマンなどの野菜類です。

オスモチンの研究は、まだ始まったばかりです。医薬品や健康食品などの製品になったものは、海外を含めてありません。今後、さらに研究が進み、オスモチンの効果や安全性について明らかになっていくことが期待されます。

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