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オレキシン

オレキシン(Orexin)とは、脳で作られる蛋白(たんぱく)に似た分子の一種である神経ペプチドで、日本人のグループによって1998年に発見されました。ヒポクレチン(Hypocretin)と呼ばれることもあります。

神経ペプチドはホルモンとして働くものもありますが、オレキシンは神経伝達物質として働き、オレキシンAとオレキシンBがあります。脳の視床下部外側野に存在する神経細胞が、オレキシンを作っています。

このオレキシンは、食欲の制御や、睡眠と覚醒(かくせい)の制御に関連することが知られています。オレキシンを作る神経細胞が欠乏すると、ナルコレプシーという睡眠障害になります。

ナルコレプシーは、突然に眠り込んでしまう激しい睡眠発作を中核症状とする神経疾患。過眠症、居眠り病とも呼ばれます。

日本人のナルコレプシーの有病率は、1万人当たり16人~18人といわれています。すべての人種において発病がみられる中で、日本人の有病率は世界で最も高く、欧米では1万人に2~4人といわれています。

なお、オレキシンの作用を阻害するオレキシン受容体拮抗(きっこう)薬が開発されており、睡眠導入薬として期待されています。

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