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∥自分を押し出す強気∥

強気の人間、勝気の人間、弱気の人間

 最初に、人間の性格を扱う時、子供時代に作られる性格、すなわち狭義の性格、または気性を重要視し、これを気の強い「強気」、負けん気の強い「勝気」、気の弱い「弱気」に分類する心理学上の立場があるので、それぞれの性格特性を示してみる。

 ただし、強気、勝気、弱気の三タイプの類型に分けるといっても、実は人間誰しも多かれ少なかれ、このすべての要素を持っている。だから、とりわけ強気の要素の多い者を強気、勝気の傾向の強い者を勝気、弱気に傾く者を弱気と称するのだ。

 強気の人間の特徴は、大要、次のようになる。

1はなはだ強気で、他人に負けていない。虚勢を張るわけではない。

2他人との付き合いはするが、なかなか人を信用せず、疑いやすい。気軽に交際できる友人も少なく、敬遠されがちである。

3気分の朗らかな時に限らず、常に「自分は偉い」とか、「自分は価値ある人間だ」などと思う傾向がある。

4将来のことを強気に考え、固い信念を持つ。

5自分に都合のいいように物事を考えやすく、身勝手な解釈をしやすい。

6気分に無関係に、常に活動的で、積極的に物事に取り組む。仕事も手早いので、人に頼まず自らやってしまうことが多い。

7「自分はこう思う」、「自分がやる」というように、自分を持ち出す傾向がある。

8利己的で欲が深い。

9自分なりの考えを持っていて、簡単に他人のいうなりにならない。「こちらが正しく、相手が間違っている」と判断すると、徹底的に相手をやっつける。

10神経質とか潔癖というわけではないが、その考え方は非常に硬い。

 勝気の人間の特徴は、大要、次のようになる。

1我がままで、自分本位の考え方をする。

2勝気で、悔しがり屋で、非常に負けず嫌い。

3自分を実際以上に見せようとする傾向がある。

4派手好みで、「華やかで社交的な人」という印象を他人に与える。

5うそつきの傾向がある。

6芝居じみた態度で、表情や話が大げさになりがちで、体の調子の悪いことなどを誇張して話してしまう。

7人に暗示されやすく、他人にいわれるとすぐその気になる。他人の意見に左右されやすいのだ。

8気に入らないことがあると、すぐに乱暴をしたり、泣きわめいたりする。嫌なことがあったり、嫌な物を見たりすると、気持ちが悪くなる傾きがある。

9人の好き嫌いが激しい一方、他人を当てにして、寄り掛かろうとする気分が強い。

10おしゃべりではあるが、感情は冷たい。自分が皆にもてはやされないと面白くなく友人や知人の成功をねたましく思う。

 弱気の人間の特徴は、あらまし、次のようになる。

1体に対して、ことさら神経を使い、病気を気にする。不愉快なことがあったり、神経を使うことがあった際には、おなかの具合が悪くなったりする。

2弱気で、物事を悲観的に考えやすく、「人より劣っている」という気持ちがある。

3事をする時、何事にもあれこれと迷って、なかなか決心がつかない。

4考えたくないことが頭にこびりつく。

5つまらない物事、例えば、とがった物、広い場所、顔が赤くなることなどを怖がる。食べ物にゴミがついていたり、他人が触れたりすると、食べられない。

6他人に対して自分のやった行為や、他人からいわれたことを気にしやすく、いつまでも気に掛ける。

7何かで失敗した時には、その原因が自分にあるように思ってしまうし、何をやっても「十分にやれた」という感じがしない。

8うまくゆかなかったことを、いつまでも愚痴っぽくこぼし、くよくよする。

9意志が弱くて、少し難しいことにぶつかるとへこたれてしまい、長続きしない。

10他人が自分のことをどう考えているかを気にし、また、他人の気受けを気にしてしまって、当然いうべきことも、いいそびれてしまう。

強気の人間は自信満々で自分を押し出す

 まずは、強気の人間についての解説である。

 この強気の特徴は、自我の強さだ。自信満々で、すべての点で自分を押し出す。強気の人間のうちには、絶対に敗北を認めようとせずに闘争を続ける闘争型のタイプがあり、あくまでも理想を追求してゆく理想型のタイプもある。

 概して、強気の人間は危機的状況に当面しても、簡単にくじけてしまうことがない。固い信念と満々たる自信が彼の行動を支えているため、逆境に陥り、苦境に立っても、積極的に乗り越えようと奮い立ち、「いつか何とかなる」と信じて頑張り抜く。

 こんな彼の頭に一つの考えが一度定着すると、周囲が改めさせるのはかなり困難である。「自分は正しいのだ」、「自分の今までやってきたことに誤りはなかったし、これからやろうとすることも間違いがないのだ」という強い考えを中心に、彼の生活は回転している。

 従って、他人にあることを全面的に任せるということができず、何でも自分でやろうとする。物事がうまくゆかぬ場合には、「自分が無力なためではなく、他人が妨害したのだ」と解釈するだろう。

 強気の人間は、自我が強いから、出しゃばりである。「おれが、おれが」と他人を押しのけ、自分の考えを押しつけようとする。

 創業期にある企業のリーダーとか、小企業のワンマン社長などによく見受けられるタイプであり、この型の人間が知能に恵まれていれば、部下は安んじてついていくことができる。

 不機嫌な時には取りつく島がないように見えても、判断は迅速で、果断で勇気があり、「信じていれば間違いない、頼もしい人物」という信頼感を皆に与えている。

 実際、強気型の人間は、部下に相談したり、意見を聞いたりはしない。会議を開いたとしても、社員の衆知を集めて評議する場ではなく、単に上意下達の機会にすぎない。すべては、中心人物である彼の思う通りに決定されていく。

 それでも、強気な彼の頭がさえ、判断力が鈍っていなければ、強い統率力のもとに運営されて企業経営はスムーズに進行するが、識見もなく、知能も低い強気型の人物が上に立っては、好ましくない面ばかりが浮き上がってきてしまう。

 身勝手、強引、専制的、高圧的、人間不信、向こう見ず、横柄、高慢といった一連の特性が彼の中に見られ、「徳望のない、気ばかり強い人物」という印象しか与えず、部下からも敬遠されることになる。

 一般的にいって、強気の人間は、あまり人に愛されない。家族からも孤立しがちで、友人、知人からも敬遠されやすい。デリケートな感覚とは無縁で、人の気持ちをくみ取るということも下手であり、人に対する態度や会話の内容にも上品な感じ、洗練された雰囲気は期待できない。

 この型の人物が能力的に優れていたり、権力を持っていたりすると、そのために追従し、時には迎合する者がいても、彼自身に人間的魅力を覚える人はまれであろう。

 強気の人間はまた、抗争的で攻撃的である。「自分のほうが正しく、相手が間違っている」と思っても、それを主張するのを遠慮するということも処世術の一つだが、強気の人物には望めない。自分の正しさが認められないとなれば、躍起になって正当性を主張しないと、彼の気がすまない。

 そして、強気の人間には、他人に対する嫉妬(しっと)心、愛情、憎悪などを激しく持ち続ける傾向が認められる。「あの人は自分に好意的だ」などと一度、自分に都合のいいように思い込むと、考え直すのは非常に困難なために、大変な迷惑を被る人も出てくるということになる。

 同じ強気の人間であっても、その強気の要素の多少によって違いも見られるところだ。

 例えば、純粋の強気の人間は、劣等感など持たない。自信満々であって、優越感を抱き、自分が他人に劣っているとは考えない。思うようにならない時、不快を感じ、怒りを抱き、あくまで闘争に赴こうとする。

 弱気の要素も持つ強気の場合は、劣等感があるために、強気は特に激しいものとなる。あんこに塩を入れることによって、甘味が強くなるようなものであって、劣等感ゆえに攻撃性を示すことがあり、暴力に走ることもある。

 恐怖や不安を与えるようなものは、強気の彼を攻撃的にする。不安に対する攻撃反応は、この性格型の人間の特徴といえる。


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