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ロイシン
必須アミノ酸の一つで、主な役割は肝機能の強化、筋肉の増強と維持
ロイシンとは、体内で合成できず、栄養分として摂取しなければならない必須(ひっす)アミノ酸の一つ。必須アミノ酸の中でも、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれる3種類のアミノ酸の1つに数えられます。
ほかの必須アミノ酸が肝臓で分解されるのに対して、分岐鎖アミノ酸と呼ばれるロイシン、バリン、イソロイシンの3種類は、筋肉で分解されるアミノ酸に相当し、運動時のエネルギー源となります。
成人の1日に必要な量は、体重1kg当たりロイシン39mg、バリン26mg、イソロイシン20mg(厚生労働省策定、日本人の食事摂取基準2010年版より)で、ロイシンの1日に必要な量は必須アミノ酸9種中では最大です。
レバーや牛乳、あじ、牛肉、米、小麦粉、とうもろこし、大豆、ほうれん草など、日ごろ、口にしている幅広い食品に含まれていますので、ロイシンはあまり不足するものではありません。
ロイシンの働きはいろいろありますが、分岐鎖アミノ酸の司令塔として、蛋白(たんぱく)質の分解の抑制と合成の促進の調整をしています。この働きは、ロイシンのインスリン分泌促進作用によるもの。ロイシンの不足によりインスリンの分泌が抑えられると、全身の活力の低下につながります。
ロイシンの働きには、肝機能の強化や、筋肉の増強と維持もあります。肝臓の働きが芳しくない人や、疲れやすく体調を整えたい人、筋肉をつけたい人には重要な栄養素です。風邪を引きやすい人、成長期の人にもお勧めです。免疫機能を強化する働きもあるので、体全体の力を底上げすることができるのです。
また、ロイシンは、ロイシン–エンケファリンという脳内に自然状態で分布している脳内麻薬様物質の構成成分になっています。ロイシン–エンケファリンには、苦痛とストレスによって生じる神経反応を緩和し、リラックスを促す作用があります。
どんな人にも必要で重要なロイシンですが、過剰に取ってもあまり意味はありません。必須アミノ酸は、バランスよくすべての種類がそろって、初めて有効な働きができます。どれか1種類だけをどんどん取り入れても、無駄なのです。ロイシンを過剰に摂取してしまうと、ほかのアミノ酸とのバランスが崩れ、かえって体や毛髪に悪影響が出てしまうこともありますので、注意が必要です。
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