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有料老人ホーム
有料老人ホームとは、高齢者が民間事業者と契約して入居し、食事など日常生活に必要なサービスを受ける施設。厚生労働省の分類に基づき、健康型、住宅型、介護付の3類型の有料老人ホームに分けられます。
健康型有料老人ホームは、自立した高齢者のみを対象とするもので、食事などのサービスは付くものの介護サービスは提供されません。要介護になった場合は、契約を解除して退去しなくてはなりません。施設数自体もまだ非常に少なく、全国で50施設に満ちません。
住宅型有料老人ホームは、要介護になった場合、訪問介護など外部のサービスを居室で利用しながら生活するタイプの老人ホームです。都道府県から特定施設入所者生活介護の事業者指定を受けない有料老人ホームであり、施設数も全国で550程度と、絶対数はまだまだ多くありません。
介護が必要になった場合には、自らが契約した介護業者を通じ、外部からヘルパーの訪問介護などのサービスを受けることになります。その意味では、自宅で介護保険の居宅サービスを受けるのと、基本的には同じです。
しかし、要介護度が大きく進んだ場合などにおいては、居宅サービスだけでは間に合わなくなってしまいますので、場合によっては介護付有料老人ホームへの住み替えを考えなくてはなりません。
最後の介護付有料老人ホームは、文字通り食事、入浴などの介護サービスが受けられる老人ホームです。都道府県から特定施設入所者生活介護の事業者指定を受けている有料老人ホームであり、一定の提供されるサービスに介護保険(特定施設入居者生活介護)が使えます。
特定施設入所者生活介護の事業者指定を受けない限り、広告で「介護付」「ケア付」と表示することはできません。そうでない施設から介護にかかる何らかのサービスの提供を受けた場合は、結局は全額自己負担で対応することになりかねないので、その有料老人ホームが特定施設入所者生活介護の指定を受けているかどうかの確認は、利用者にとって非常に大切です。
2000年4月の介護保険導入以降、有料老人ホーム、とりわけ介護付有料老人ホームの数は、急激に増加しました。その背景には、介護が必要であるにもかかわらず施設に入ることのできない、数十万人に達すると予測される介護難民の増加があります。
2010年12月現在、介護付有料老人ホームは、全国に2000施設以上あり、有料老人ホーム全体のほぼ8割を占めています。
有料老人ホームにおける料金は、入居時に一括して支払う入居一時金、そして月々に支払いが必要な月額利用料の2種類が、通常は必要とされます。相場としては、入居一時金が数百万円程度、月額利用料が15~30万円といったところです。
入居一時金については、全国で数倍程度の地域格差があり、関東圏と近畿圏が最も高額となっており、高級感をうたい文句にしている施設の場合は千万円単位のケースもあります。なお、入居一時金は一定の期間で償却されることになりますが、施設によって退去時の償却率や償却期間はまちまち。
最近では、入居一時金不要という有料老人ホームも増えてきていますが、入居一時金は基本的に家賃の前払い的な意味があることから、そのようなケースでは通常、月額利用料が高く設定されています。入居一時金不要のタイプを選択する利用者は、月額利用料が高くなるにしても、最初から介護老人福祉施設(特養)への入居待ちとして利用するつもりで滞在期間を1年から2年程度と短く想定する人が多いともいわれています。
月額利用料についても、これを支払えば後はかからないということはむしろ少なく、有料老人ホーム独自の別途追加料金を設定している施設が多く、それらのオプション費用を加算すると、総額として大きく膨れ上がるケースもあります。
有料老人ホームにおいては、介護保険の施設サービスの適用がないため、入居金、月額利用料などはすべて入居者の自己負担となるのが原則です。有料老人ホームへの入居は、あくまでホームと入居者の個別的な自由契約になるためです。
都道府県から特定施設入居者生活介護の事業者指定を受けている介護付有料老人ホームにおいては、施設内で施設のスタッフから受けるサービスにおいて、介護保険を利用することができますが、多くの介護付有料老人ホームでは、介護保険の定めた以上の介護を提供しており、それらは上乗せサービス、横出しサービスと呼ばれています。この部分は、利用者側の全額負担となるので、注意が必要です。
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