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ハグランド病

踵の後ろ上部に、骨性の隆起や軟部組織の肥厚を認め、痛みが生じる疾患

ハグランド病とは、アキレス腱(けん)が付着する踵(かかと)の骨である踵骨(しょうこつ)後ろ上部に、骨性の隆起や軟部組織の肥厚を認め、痛みが生じる疾患。ハグランド変形、ハグルンド病と呼ばれることもあります。

ハグランド病では、まず踵骨後ろ上部に骨性の隆起が生じ、この突出した部分が靴の内側とこすれるために、ほとんどの場合は、アキレス腱の付着部と踵骨後部との間にある踵骨後部滑液包と呼ばれるゼリー状の滑液の入った袋状の軟部組織が炎症を起こし、踵骨後部滑液包炎を引き起こします。

踵骨後部滑液包炎が起こると痛みが生じ、滑液の分泌量が多くなって滑液包の中に過剰な滑液がたまります。また、炎症が続くと、滑液包自体が肥厚することもあります。

ハグランド病の多くは、踵骨後部が圧迫や摩擦を受けやすいパンプスやハイヒールなど踵の部分が硬い靴や、足のヒールカーブの形状と合わない靴を履いていることが原因となって、生じています。靴が原因となるのは、20~30歳代の女性に多く、両足の踵に発生する傾向があります。

また、足関節のオーバーユース(使いすぎ)を起こしやすい長距離走のランナーなどのスポーツ選手、扁平足(へんぺいそく)の人、ハイアーチ(凹足)の人にも、生じてます。

扁平足は、土踏まずのくぼんだ部分がなくなって、起立時や歩行時に足の裏のアーチがつぶれ、足の裏全体が地面にくっ付く足です。ハイアーチは、足の甲が極端に高く、起立時や歩行時に土踏まずの部分が地面に接しない足です。

ハグランド病の急性期には、踵の後ろ上部に発赤、はれを認め、押すと痛みが生じます。靴を履いた状態で足首を反らすと、靴の踵の部分の内側から圧迫されて痛みが強くなる場合もあります。

慢性期になると、踵骨後部滑液包は肥厚し、皮膚に色素沈着を認めます。痛みは、歩行時や長時間の立ち仕事時、運動時に増悪し、下腿(かたい)が疲れやすくなります。靴を普通に履くことが困難になり、革靴や踵の部分のある靴を避けて、サンダルを履いたり、スニーカーの踵の部分を踏んで使用することが多くなります。

踵の後部に突出した部分があり、痛みがある場合には、早く痛みを取るためにも、整形外科などを受診することが勧められます。

ハグランド病の検査と診断と治療

整形外科、形成外科、ないし足の外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査や超音波(エコー)検査を行うと、踵骨後ろ上部の骨性突出、踵骨後部滑液包のはれや肥厚などを確認できます。

整形外科、形成外科、ないし足の外科の医師による治療では、原因となっスポーツ活動があるなら中止し、適合性の悪い靴の使用を避けます。

日常の歩行時などに痛む場合は、踵を高くするヒールパッド(ヒールウエッジ)を靴に挿入するか、後縁の軟らかい靴など圧迫や摩擦が少なく踵との適合性が高い靴と交換します。

また、痛みや炎症を鎮めるために、アイシング、電気療法、超音波療法を行います。さらに、アキレス腱への負担を減らす目的で、踵にソルボという衝撃吸収のゴムを装着することもあります。

保存療法で症状が改善しない場合や、踵や足部の形状に異常があり慢性化の傾向を示す場合は、踵骨後ろ上部の骨性隆起を切除し、踵骨後部滑液包を摘出する手術などを行います。

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