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変形性腰椎症
腰に5つある腰椎の加齢による変化によって、腰痛が起こる疾患
変形性腰椎(ようつい)症とは、腰に5つある腰椎の加齢による変化によって、腰痛が起こる疾患。腰部変形性脊椎(せきつい)症とも呼ばれます。
腰椎は上から第1腰椎、第2腰椎と呼び、一番下が第5腰椎です。それぞれの間には、軟骨である椎間板が挟まっていて、クッションのような働きをしています。
変形性腰椎症の主な原因は、加齢です。年齢を加えることによって、椎間板が変性して弾力性が失われ、クッション作用が弱くなります。その結果、腰椎同士がぶつかったり、椎間関節や靭帯(じんたい)組織などが擦り減ったりすると、腰椎は刺激されて骨棘(こっきょく)と呼ばれる骨の突出ができたり、腰椎の並びにずれが生じて変形し、筋肉組織を含め腰部の痛みやだるさなどの局所症状が起こります。
腰椎の変性、変形を増悪させる要因としては、重労働や遺伝的素因などが挙げられます。
変形性腰椎症の主な症状は、腰部の痛みやだるさ。通常は、朝の起床時などの動作開始時に強く、動いているうちに軽減します。長時間の同一姿勢でも、腰痛やだるさは増強します。
腰痛の部位は、腰部全体に漠然と感じる場合や、腰椎の後端が隆起した棘突起の骨組織の周囲であったり、 脊椎の両側にある傍脊柱筋であったりとさまざまです。また、臀部(でんぶ)や大腿(だいたい)後面まで痛みを感じたり、下肢のしびれや冷感を覚えることもあります。
腰椎に変形が起こると、姿勢が悪くなります。腰椎の変形が高度になると、外見上も体が側方に曲がって側湾になったり、後ろに曲がって後湾(いわゆる腰曲がり)が起こったりし、腰痛のため長時間の立位が困難になってきます。
変形性腰椎症による腰椎の変形があっても、痛みがなければ特に問題はなく、今までどおりの生活を送ってかまいません。しかし、腰痛はさまざまな疾患の症状として現れますので、症状に変化があれば整形外科を受診して検査を受けたほうがよいでしょう。
変形性腰椎症の検査と診断と治療
整形外科の医師による診断では、腰痛が主体で下肢症状があっても軽微な場合に、X線(レントゲン)検査で骨組織の加齢による変化を確認し、さらにそのほかの疾患を除外することで変形性腰痛症と確定します。
X線検査で加齢による変化が認められても、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症、腰椎すべり症などでは下肢の症状が主体になることが多く、変形性腰痛症とは区別されます。腰痛を起こす脊椎以外の疾患、すなわち腎(じん)臓や膵(すい)臓などの内臓疾患や婦人科疾患、さらに解離性大動脈瘤(りゅう)なども、除外する疾患として挙げられます。
整形外科の医師による治療では、痛みに対する保存療法が基本となります。薬物療法では、炎症と痛みを和らげる消炎鎮痛剤や、筋肉のこわばりを取り除く筋緊張弛緩(しかん)剤などを投与します。血液の流れをよくする末梢(まっしょう)循環改善剤、神経の働きをを改善する向神経ビタミン剤(ビタミンB12など)が用いられることもあります。筋肉部分に痛みがある場合は、局所麻酔によるトリガーポイント注射と呼ばれる注射が効果的です。
また、腰部に対する温熱療法や牽引(けんいん)療法などの理学療法も、痛みの緩和に有効な場合が多く、ほかの治療法と組み合わせて行われます。
痛みは安静と保存療法で治ることが多く、手術を必要とすることはほとんどありません。
症状が軽い時は、腰痛体操や軽い運動などで体幹の筋力を付けることも、腰痛の予防や軽減に役立ちます。安静にしすぎると筋肉が衰えて、かえって症状が出やすくなりますので、できるだけ体を動かし、普通に生活することも大切です。高齢者では、寝たままでいたりすると、立つことも歩くこともできなくなる危険があります。
腰が冷えると症状を強く感じがちですので、冷やさないように心掛けます。家庭でふろに入るのも、立派な温熱療法で、ぬるめのお湯にゆっくり入るようにします。
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