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パイロニー病

陰茎の皮膚の下に硬いしこりができる疾患

パイロニー病とは、陰茎の皮膚の下に硬いしこりができる疾患。陰茎形成性硬結症、陰茎硬化症、ペロニー病、ペイロニー病とも呼ばれます。

30~50歳代の男性に多く、陰茎海綿体を包む白膜(はくまく)という結合組織に、線維性のしこり(硬結)ができます。しこりは陰茎の陰嚢(いんのう)と反対側の面にできることが多く、すじ状のものから板状で骨のようなものまで、さまざまな形があります。

勃起(ぼっき)すると陰茎がしこりのある方向に曲がり、疼痛(とうつう)が起こることもあります。曲がり具合にもよりますが、十分な勃起が得られず、パートナーとの性交に支障を来すこともあります。

平常時は痛くもかゆくもなく、しこりそのものは無害と考えられ、自然によくなることもあります。

詳細な原因は、まだよくわかっていません。慢性陰茎海綿体炎、糖尿病、痛風、外傷などとの関連が疑われています。

また、手のひらや指の腱膜(けんまく)の肥厚と収縮によって、主として小指や薬指が次第に曲がって変形するデュプイトラン拘縮という疾患が、パイロニー病に合併して起こることがあります。デュプイトラン拘縮は北欧系の白人に多く、日本人には比較的少ないものの、中年すぎの50~60歳での発症が時々みられ、5対1の割合で男性に多く、半数以上は両手に起こります。

パイロニー病らしいと思い当たり、性生活に支障を来すようであったり、ほかの疾患、例えば陰茎がんなどとの見極めが困難な場合は、泌尿器科などの医師に相談することが勧められます。

パイロニー病の検査と診断と治療

泌尿器科の医師による診断では、特徴的なしこり(硬結)の症状の視診、触診で確定できます。以前に外傷や炎症などがあったかどうかが、参考になります。パイロニー病ががんになることはありませんが、がんによるしこりと区別するために、しこりの一部を切除して組織検査を行うこともあります

パイロニー病に特に有効な根本的な治療法は、現在のところありません。勃起障害の原因となったり、痛みが起こる場合には、超音波治療、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)の局所注射ないし内服、コラーゲン分解酵素の局所注射、ビタミンEの内服、ヘパリン類似物質や非ステロイド系消炎鎮痛薬の軟こうの塗布などが試みられますが、あまり有効ではないようです。痛みが起こる場合には、放射線照射が有効とされています。

性交渉に障害が出るような場合、本人が希望すれば手術を行うこともあります。陰茎海綿体を包む硬化した白膜を切除し、欠損部には皮膚の移植をします。ただし、手術後の瘢痕(はんこん)組織が硬化して、手術前より悪化することがあります。

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