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閉塞隅角緑内障
突然眼圧が高くなり、激しい目の痛みや頭痛が生じる緑内障
閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障とは、眼内液である房水の出口を虹彩(こうさい)の根部がふさぎ、房水の流出が障害されて、急激に眼圧が上昇する疾患。緑内障発作、急性閉塞隅角緑内障とも呼ばれ、放置すれば短期間に失明する可能性がある疾患です。
房水の出口である前房隅角部が狭くなっている場合に、起こりやすくなります。その原因としては、生まれ付きの素因、また、強い遠視や老化のために、水晶体が膨らんで虹彩を持ち上げ、隅角部が狭くなることが挙げられます。さらに、精神的過労、睡眠不足、精神的な興奮、さまざまな生活上の誘因も考えられます。
高頻度でみられるのは、50歳以上の遠視の女性です。
自覚症状としては、急激な視力障害と、裸電球を見ると回りに虹(にじ)が見える虹視が特徴的。黒目の白濁、白目の充血、瞳孔(どうこう)の散大が起こるほか、激しい眼痛、頭痛、吐き気、嘔吐(おうと)などを伴うこともあります。頭痛や嘔吐が激しい時は、ほかの内科的疾患と誤りやすいので、注意が必要です。
この閉塞隅角緑内障の経過は急激で、視神経の急激な血行不良から神経線維が一気に、大量に死滅し、時には1日で失明してしまいます。発作が起きたら、数時間以内に専門医を受診します。
閉塞隅角緑内障の検査と診断と治療
閉塞隅角緑内障(緑内障発作)では、目の症状以外に頭痛、吐き気、嘔吐などの全身症状がみられるため、眼科以外の内科や脳外科などの診療科を受診してしまうことがありますが、視覚障害がないかどうかの確認をすることが重要です。
眼科の医師による検査では、通常は60〜80mmHgの急激な眼圧上昇と、隅角検査で閉塞隅角、充血や瞳孔の散大を認めます。
治療では、まず目を冷やし、グリセリンの内服、縮瞳剤の点眼、高浸透圧剤の点滴などで、眼圧を下げるようにします。しかし、多くは再発するため、眼圧が下がったら、房水の出口を閉じている周囲虹彩切除を主とした手術や、レーザーによる虹彩切開を行います。
最初は片方の目だけに発作が起こっても、早晩、両目に起こることが多いので、予防のために、もう一方の目の虹彩切除、またはレーザー切開が必要です。
あらかじめ、閉塞隅角緑内障を起こす危険性があることがわかれば、予防的処置を講ずることができますので、強い遠視の人、40歳すぎの人、眼球の前部にある前房が浅い、眼球が小さいなど生まれ付きの素因があると指摘されたことのある人では、定期的に緑内障の眼圧検査を受けることが大切です。
日常生活では、紅茶、酒、コーヒーなどを大量にとることを控え、水分も控えます。加えて、精神的ストレスのたまらない生活を送るように心掛けます。
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