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ヘスペリジン

柑橘系の果物に多く含まれ、血管壁を丈夫にするフラボノイド化合物の一種

ヘスペリジンとは、ミカン、オレンジなどの柑橘(かんきつ)系の果物に含まれている黄色や橙(だいだい)色の色素。フラバノン系色素のヘスペレチンに、 糖のルチノースが結合したフラボノイド配糖体に相当し、ポリフェノールの一種です。

水溶性ビタミン様作用物質の一種で、ビタミンPとも呼ばれるフラボノイド化合物の一種でもあります。

従来から健康維持のための重要な栄養素として、さまざまな働きが知られています。まず、ヘスペリジンには、毛細血管の透過性を保ち、毛細血管の強化や血管壁を丈夫にするほか、毛細血管の収縮作用や血圧降下作用があります。いわば毛細血管のメンテナンス係ということができ、高血圧による毛細血管の破損や眼底出血を予防することが期待されます。

次に、ヘスペリジンには、壊れやすいビタミンCを安定化させる働きがあります。ヘスペリジンによって安定化したビタミンCは、 活性酸素を抑制して血管の収縮を防止し、血流を改善することによって血圧の上昇を防ぎます。

さらに、ヘスペリジンには、アレルギー反応に対しては、毛細血管の透過性を抑制する働きによる抗アレルギー作用があり、花粉症やアトピー性皮膚炎の症状を緩和すると考えられています。

そのほか、ヘスペリジンには、血中コレステロール値の改善効果、発がん抑制作用があると考えられています。

多い食品としては、ミカン、オレンジ、キンカン、ハッサク、ダイダイ、グレープフルーツなどの柑橘系の果物が挙げられます。ミカン1個分の皮には180mgのヘスペリジンが含まれ、 果肉には9mg、袋や筋(すじ)には28mg程度含まれています。

ミカンの皮は食べれませんが、袋や筋は果肉と一緒に食べたほうがヘスペリジンをしっかりと摂取することができます。ミカンの皮のほうは、生薬の陳皮(ちんぴ)の主成分となっています。 陳皮はミカンの皮を日に干したもので、特に温州(うんしゅう)ミカンの果皮を乾燥させたものをいい、風邪の薬としても昔から使用されてきました。

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