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便秘

排便回数が少なく、3日に1回未満、週2回未満しか、便の出ない状態

便秘とは通常、排便回数が少なく、3日に1回未満、週2回未満しか、便の出ない状態。

便が硬くなって出にくかったり、息まないと便が出なかったり、残便感があったり、便意を感じなかったり、便が少なかったりなど多様な症状も含みます。便の水分が異常に少なかったり、うさぎの糞(ふん)のように固い塊状なら便秘です。

便秘の症状の現れる時期は、さまざまです。一般には、加齢とともに増加する傾向にありますが、女性のほうが男性より多いと見なされ、若い女性の便秘は思春期のころに始まることも少なくありません。

この便秘は、大きく分けると機能性便秘と器質性便秘に分類され、機能性便秘はさらに弛緩(しかん)性便秘、痙攣(けいれん)性便秘、直腸性便秘、食事性便秘の4種類に分類されます。

機能性便秘というのは、大腸の働きの異常が原因で便秘が起こるもので、ほとんどの便秘が機能性便秘に相当します。

機能性便秘のうちの弛緩性便秘は、一定のリズムと緊張を持って運動して便を送り出している腸管の蠕動(ぜんどう)運動の低下により、腸の中の内容物の通過が遅れ、水分の吸収が増加するために便秘が起こるものです。排便時に腹圧をかけるのに必要な、腹筋などの筋力が弱まることも原因になります。弛緩性便秘では、排便回数や便の量が少ないタイプの便秘になります。

痙攣性便秘は、ストレスや感情の高まりに伴う自律神経のアンバランス、特に副交感神経が緊張しすぎることによって便秘が起こるものです。下行結腸に痙攣を起こした部位が生じ、その部位が狭くなって、便の正常な通過が妨げられます。痙攣を起こした部位の上部は腸の圧力が高くなるため、腹が張った感じがして、不快感や痛みを感じます。排便があっても、便の量が少なく、うさぎの糞のように固い塊状となります。

排便後には少しは気持ちがよくなりますが、十分に出切った感じがなく、すっきりしないなど、残便感を生じる人が多いようです。便秘の後に、腸の狭くなった部位より上のほうで水分の量が増えるため、水様の下痢を伴うこともあり、便秘と下痢を交互に繰り返す場合もあります。大腸の緊張や痙攣により、便が滞りやすいために起こる便秘もあります。

直腸性便秘は、習慣性便秘とも呼ばれ、排便を我慢する習慣が便意を感じにくくさせるために便秘が起こるものです。便が直腸の中に進入すると、直腸の壁が伸びる刺激で便意は起きますが、この便意をこらえて、排便を怠たったり、排便を我慢することが度重なると、刺激に対する直腸の感受性が低下して、直腸内に便が入っても便意が起こらなくなってしまい便秘となります。

食事性便秘は、食物繊維の少ない食物を偏って食べていることが原因で、腸壁に適当な刺激がなくなって便秘が起こるものです。また、食事の量が極端に少ない場合も便秘になります。

一方、器質性便秘というのは、腸や肛門(こうもん)の腫瘍(しゅよう)や炎症、閉塞(へいそく)などの疾患、あるいは巨大結腸症のような腸の長さや大きさの先天的異常などが原因で便秘が起こるものです。器質的便秘の原因となる疾患としては、大腸がん、大腸ポリープ、クローン病、腸閉塞(イレウス)、虫垂炎など腹の手術の後の腸の癒着、潰瘍(かいよう)性大腸炎、後腹膜腫瘍、子宮筋腫、直腸がん、直腸ポリープ、直腸脱、直腸重積(じゅうせき)、直腸瘤(りゅう)などがあります。

また、便秘には、旅行や生活の変化に伴う数日間だけの一過性の便秘と、症状が1〜3カ月以上続く慢性便秘があります。便秘が続くと、腸内細菌のバランスが崩れ、腐敗便がたまると、肌のトラブルや大腸がん発生の引き金になります。

それまで規則的であった排便が便秘に変化した場合や、便に血が混じる場合、腹痛を伴うような場合は、器質的便秘が疑われるので、早めに肛門科、あるいは消化器科、婦人科を受診し検査を受ける必要があります。

便秘の検査と診断と治療

肛門科、あるいは消化器科、婦人科の医師による診断では、器質的便秘が疑われる場合は、まず大腸の検査を行います。これには注腸X線検査と大腸内視鏡検査があり、ポリープやがん、炎症性腸疾患などを診断します。

機能的な慢性便秘を詳しく調べる検査として、X線マーカーを服用して大腸の通過時間を調べる検査や、バリウムによる模擬便を用いて、排便時の直腸の形や動きを調べる排便造影検査があります。

肛門科、あるいは消化器科、婦人科の医師による治療では、食事指導、生活指導、運動、緩下剤といった保存的治療法が主体となり、これらをうまく取り入れて便通をコントロールするようにします。日常の食生活で不足しがちな食物繊維を補うためには、市販の食物繊維サプリメントであるオオバコ、小麦ふすまなどを活用するのもよい方法です。

緩下剤は、腸への刺激がなく、水分を保持して便を軟らかくする酸化マグネシウムなどの塩類下剤を主体として使用します。センナ系、漢方などの速効性の刺激性下剤は、できるだけ常用しないように心掛けます。刺激性下剤を常用すると、次第に腸が下剤の刺激に慣れて効果が鈍くなり、ますます便秘が悪化することがあるためです。

直腸瘤が便秘の原因となっている場合は、その症状と大きさから判断して手術で治療することもあります。

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