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乳房パジェット病

乳房パジェット病とは、乳頭や乳輪にただれるような湿疹(しっしん)ができる乳がんの特殊なタイプ。乳房ページェット病とも呼ばれます。

乳がん全体の1~2パーセントを占めるといわれています。発症年齢は乳がんよりやや高く、50歳代の女性に最も多くみられ、男性もかかります。

症状としては、乳頭やその周囲の乳輪に紅褐色の湿疹が出て、かゆみやヒリヒリとした痛みを伴う場合もあります。また、乳頭からの分泌物や出血もみられる場合もあります。通常の乳がんのようにしこりを触れることはないので、急性湿疹やたむしなどの皮膚病と間違えられやすく、乳がんの一種とは思われないこともあり注意が必要です。

進行すると、表皮が破れてただれ、円状に乳頭や乳輪を超えて拡大したり、乳頭が消失してしまうこともあります。

しかし、高齢者に多く長期に放置したとしても進行する速度が遅いので、乳腺(にゅうせん)内のがん細胞が表皮内に浸潤することはまれであるとされています。早期に治療すれば予後は良好ながんで、転移が確認されなければ心配はないといわれています。

医師の側は、乳腺内にしこりがみられず、顕微鏡で乳頭分泌物やかさぶたなどの細胞を見る細胞診で、パジェット細胞という特徴的な泡沫(ほうまつ)状の細胞が認められた場合、乳房パジェット病と確定します。

治療は、早期の乳がんと同じ治療法が適応され、病変部だけを切除して乳房を温存するケースと、乳房全体を切除するケースとがあります。検査の段階で病変が乳腺レベルにとどまっている場合は、美容的な観点を考慮して、放射線治療を併用しての乳房温存療法が選択される可能性が高くなりますが、進行程度や広がり具合によっては、乳房全体を切除するケースや乳頭を切除しなければならないケースもあります。

手術の予後は良好で、よほど進行しないと転移はしません。

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