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中手骨短縮症

手の甲の部分に5本存在する中手骨が先天的に短縮する疾患

中手骨(ちゅうしゅこつ)短縮症とは、手の甲の部分に5本存在する中手骨が先天的に短縮する疾患。短指症、指短縮症の一種です。

先天的に短縮する骨は手の甲の部分の中にあって外観ではわからない中手骨ですが、実際には手指が短縮して、引っ込んでいるように見えます。

出生直後から短縮が明らかな場合と、10歳前後で短縮が明らかになる場合があります。乳幼児期には明らかでなく、10歳前後で短縮が明らかになるのは、中手骨の末端部分の骨端線の早期閉鎖が原因となり、成長するに従って中手骨に生じる発育障害が顕著となるためです。

両側の手の手指に生じることがあり、また、1つの手指のみならず複数の手指に生じることもあります。

短縮した手指では、手を握った際に本来は盛り上がる拳(こぶし)、つまり、手指の付け根にある中手指節関節(MP関節)の突出が認められません。こうした変形で、手の握り動作や、手指のつまみ動作といった機能面に支障が出ることもあります。

中手骨短縮症は、露出部である手指に症状が現れるため、外見上の問題で発症者を悩ませる深刻な疾患といえます。つい人目が気になり行動が消極的になってしまい、有意義な日常生活を送ることに支障を来すという場合は、整形外科、形成外科、ないし手の外科を受診することが勧められます。

中手骨短縮症の検査と診断と治療

整形外科、形成外科、ないし手の外科の医師による診断では、視診により手指の短縮が明らかで、容易に判断できます。

X線(レントゲン)検査を行うと、短縮した手指に相当する中手骨が短縮していること、それによって手指の付け根に位置する中手指節関節(MP関節)がほかの手指に比べて近位に位置していることを認めます。

整形外科、形成外科、ないし手の外科の医師による治療では、発症者や家族の希望、学業や仕事の都合を参考にして手術時期を決定し、中手骨を延長する手術を行うことが第1選択となります。

実際に手術している時期は、小学校高学年から中学生以降がほとんどです。早い時期に手術を行った場合、まだ手が小さいため高度な手術操作が要求される一方、骨の再生のスピードが速いという利点があります。逆に、骨の成長が終了した成人で手術を行った場合、手が大きく手術は比較的容易である一方、骨の再生のスピードがやや緩慢で治療期間が長くなりがちという問題が生じます。

中手骨を延長する手術には、骨移植法(一期的延長法)と骨延長法(仮骨延長法)の2つがあります。

骨移植法は、短縮した中手骨を骨切りし、一期的に骨切り部を延長した後に開いた透き間に、腰の部分などから取った骨を移植する方法です。一期的に延長するため、神経血管障害が生じる恐れがあるので、延長可能な距離が10ミリまでと制限されます。

骨延長法は、5〜6センチ程度の長さの創外固定器というものを用いて、短縮した中手骨をゆっくりと延長させてゆく方法です。骨本来の再生機能を利用して、骨切り部をゆっくりと延長させてゆくことによって、延長された透き間に少しずつ新たな骨(仮骨)が形成されてゆきます。骨移植法と比較すると、創外固定器の装着期間がやや長い面はありますが、別の部分から骨を取る必要がないという長所のため、近年では広く選択されるようになっています。

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