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対称性壊疽
手足の指が変色し、しびれや痛みを感じる疾患
対称性壊疽(えそ)とは、寒冷刺激や精神的ストレスに反応して、手や足の指が真っ白になったり、青紫色になったりし、しびれ、冷感、痛みなどの症状を伴う疾患。レイノー病とも呼ばれます。
虚弱体質で比較的若い女性に多くみられ、左右対称に現れるのが特徴です。
冷たい水に触る、冷気に触れるなどの寒冷刺激、精神的ストレスなどを受けると、指の先の細い動脈が過敏に反応、収縮して血液が滞るために起こります。なぜ細い動脈に過敏な発作が生じるのかは不明ですが、交感神経や副交感神経中枢の異常によると考えられています。
こういうレイノー症状が、膠原(こうげん)病の人や、振動工具を使って作業をした人に起きることもあります。こちらはレイノー症候群といって、原因となる基礎疾患を持たない対称性壊疽と区別しています。
対称性壊疽の症状は秋から冬に多くみられ、突発的に手の指が真っ白になり、次いでチアノーゼのように青紫色に変色し、通常10〜30分の経過で肌色に戻って正常に回復します。中には、白い変色のみを示したり、しびれ、冷感、痛みを左右の手に示す場合もあります。進行すると、足の指や口唇などにも症状が現れるようになります。
重症な場合、指先の潰瘍(かいよう)や変形、組織が死ぬ壊疽を起こすことがまれにあります。
対称性壊疽の検査と診断と治療
内科の医師による診断では、症状から対称性壊疽(レイノー病)を考えます。次いで、血液検査や血管造影により、膠原病や血管疾患などの基礎疾患を除外するための検査を行います。冷水に手を入れる冷水誘発試験や指尖(しせん)容積脈波・サーモグラフィーを行うこともあります。皮膚の色調変化が左右対称に突然生じ、ほかに原因と考えられる疾患がない時に、対称性壊疽と確定します。
内科の医師による治療では、細い動脈に過敏な発作が生じる原因がわからないので、根本的な治療法はありません。薬物療法としては、さまざま種類の血管拡張剤を用います。重症の場合には、交感神経切除術が行われます。β(ベータ)遮断薬や経口避妊薬の使用は避けます。
発作時以外には臨床的な問題はありませんが、症状の繰り返しを避けて悪化させないようにするには、手袋や靴下などで手足の保温を心掛け、寒冷刺激を避けます。また、たばこ、香辛料、コーヒー、紅茶などの刺激物も控えます。精神的ストレスをためない注意も必要です。
一般的に予後は良好ながら、医師と相談しながら経過を追っていくことも必要です。当初は原因となる基礎疾患が不明であっても、数年後に膠原病などの疾患が明らかになることもあるからです。
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