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トランス脂肪酸
トランス脂肪酸とは、食用油を高熱で処理する時に、また液体の食用油を水素を加えて固体に加工する時に生じる不飽和脂肪酸の一種。トランス型不飽和脂肪酸、トランス酸、TFA(Trans Fatty Acid)とも呼ばれます。
不飽和脂肪酸は構造上炭素の二重結合を持っていますが、二重結合の周りの構造によってシス型とトランス型に分けられます。天然の不飽和脂肪酸のほとんどはシス型ですが、植物から油を絞る際に高温処理することや、常温で液体の植物油からマーガリン、ファットスプレッドなどを製造することによってトランス型が生じます。
そのため、サラダ油など精製した植物油、マーガリン、ファットスプレッド、パン・菓子作りに使われるショートニングに多く含まれます。ショートニングは、主として植物油を原料として常温で半固形状(クリーム状)の食用油脂。自然には、牛などの肉、脂肪に少量含まれます。
長期間の過剰摂取は、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やして、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減少させるため、動脈硬化症や、心筋梗塞(こうそく)を始めとした心臓疾患のリスクを高めるといわれています。認知機能の低下、アレルギー症への悪影響、不妊症のリスクの高まりも指摘されています。
世界保健機関(WHO )と国連食糧農業機関(FAO)の2003年のレポートで、1日の摂取量は全カロリーの1パーセント未満にするよう勧告されて以降、トランス脂肪酸の摂取量の多い欧米諸国では、食品中の含有量の表示を義務づけるなど規制の方向にあります。
日本では、諸外国と比較して食生活におけるトランス脂肪酸の平均摂取量は少なく、1パーセント未満をクリアしており、相対的に健康への影響は少ないとされてきました。ただし、クリアしているのは平均的な食生活を営んでいる場合のことで、食の嗜好(しこう)の多様化により望ましくないレベルのトランス脂肪酸を摂取している人もいると見なされています。
日本では、消費者庁が2010年に、トランス脂肪酸を対象に含めた脂質や塩分といった食品の栄養成分について、メーカーに表示を義務づける方針を固めました。従来、表示はメーカー各社の判断に任せていましたが、国際的な義務化の流れを踏まえました。2011年夏をめどに制度の中身を詰め、2012年の通常国会への法案提出を目指します。
日本では現在、カロリーカットなどをうたう製品以外の食品の栄養成分を商品に表示するかどうかは、メーカーの判断に任されています。表示する場合に限って、健康増進法に基づいて熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムの主要5項目を載せることになっています。
海外では、アメリカ、カナダ、ブラジル、オーストラリアで表示を義務化しているほか、02年に台湾、06年に韓国、08年に中国、09年にインドで義務化されるなどアジアにも広がっています。1994年に義務づけたアメリカの場合、現在の表示対象は日本でいう主要5項目のほか、トランス脂肪酸やコレステロール、糖類、食物繊維など計14項目に及んでいます。
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