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膝蓋骨骨折

膝の皿に相当する膝蓋骨に直接、もしくは間接的に外力が働いて生じる骨折

膝蓋骨(しつがいこつ)骨折とは、膝(ひざ)の皿に相当する膝蓋骨に直接、もしくは間接的に外力が働いて生じる骨折。

膝蓋骨は下肢の中央、大腿(だいたい)骨の下端にあり、大腿四頭筋腱(けん)と膝蓋腱(膝蓋靭帯〔じんたい〕)により上下から支えられています。膝の屈伸運動、歩行に重要な働きを担っているため、骨折すると膝を自動的には伸ばせなくなります。

転倒や交通事故などで膝の前面を直接ぶつけることで、膝蓋骨骨折は生じます。また、スポーツなどで膝を伸ばした状態で、大腿四頭筋が急激に強く緊張すると、膝蓋骨は中央で上下の2つに割れて横(おう)骨折となります。例えば、バスケットでシュートしようと膝を伸ばした際に、横骨折を起こすことがあります。

膝蓋骨骨折を生じると、骨折した部位の痛みとはれが起こります。

完全に骨のつながりが絶たれる完全骨折の場合は、強い痛みが起こり、膝関節の曲げ伸ばしができなくなるため、立ち上がったり歩いたりできなくなります。骨の位置がずれる転位がない場合は、比較的鈍い痛み、もしくは小さな痛みとなることが多く、骨折を見逃すこともあります。

膝蓋骨骨折の検査と診断と治療

整形外科の医師による診断では、受傷した時の状況や症状、およびX線(レントゲン)検査で比較的容易に確定できます。

整形外科の医師による治療では、骨の位置がずれる転位もなく、骨が折れた部分が広がる離開もない場合、手術は不要で、保存的にギプスによる外固定を3〜5週間行います。その後、ギプス固定を続けていたために曲げにくい状態になっている膝を曲げるリハビリテーション、やせた状態になっている大腿四頭筋や下腿の筋肉の筋力を回復するリハビリテーションを行います。

膝の前面を直接ぶつけたために皮膚が破れて開放性骨折となった場合は、緊急手術で感染に対する処置を行います。

骨片が上下の2つに離開した横骨折では、手術的にキルシュナー鋼線とワイヤーで固定します。手術後はギプス固定は不要で、早期に膝のリハビリテーションを開始します。

治療成績は、単純な骨折では比較的良好です。しかし、開放性骨折や骨片がバラバラに砕けた粉砕骨折(星状骨折)、大腿骨下端や脛骨(けいこつ)中枢端の骨折に合併した場合は、膝関節可動域の減少を残すことがあります。

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