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サルコペニア肥満
加齢による筋肉減少と、肥満の両方を併せ持つ状態
サルコペニア肥満とは、筋肉の減少と肥満の両方を併せ持つ状態。サルコペニアとは、加齢による筋肉の減少を指し、サルコが筋肉、ペニアが減少という意味です。
サルコペニア肥満では、2つの要因が重なって、通常の肥満よりもさまざまな病気になるリスクが高まります。高血圧などの生活習慣病にかかりやすく、また運動能力、特に歩行能力を低下させるため、転倒、骨折、寝たきりになるリスクが高まります。
しかし、筋肉が減少する一方で脂肪が増加するため、全体として体重や体形が変わらない場合があるために気付きにくく、発見が遅れがちで生活習慣病などが進行しやすくなります。
男女とも60歳代でサルコペニア肥満が増え始め、70歳代以上になると約3割が該当するといわれます。また、女性に多いといわれています。
しかし、サルコペニア肥満は高齢者だけがなるわけではなく、若い世代の間でも予備軍がみられます。筋肉の量は20歳代をピークに、40歳代以降は年1パーセントの割合で減少していくため、40歳代以降ではサルコペニア肥満、もしくはその予備軍が4人に1人ともいわれています。
基本的に、運動不足で必要以上の食事を取る人なら、サルコペニア肥満になる可能性があります。また、過度な食事制限を課す誤ったダイエットによって筋肉が減少する状態も、将来のサルコペニア肥満につながります。
筋肉が加齢や運動不足によって減少していくのに伴って、基礎代謝が減り、体が必要とするカロリーが少なくなります。にもかかわらず、以前と変わらない食事を続けていると、余分なカロリーが脂肪になって体に蓄積するようになり、サルコペニア肥満になる可能性が生じます。
サルコペニア肥満の怖いところは、これに気付きにくいという点にあります。通常の肥満だと、体形に変化があって自覚しやすく、ダイエットや運動をする気になりますが、サルコペニア肥満は見た目の変化があまりないので、これまでと同じような生活や食事を続けがちです。
歩幅が短くなる、1秒間に80センチ以下と歩行速度が遅くなる、駅の階段を上る際に手すりに手を掛ける、つま先立ちで歩くことができない、椅子(いす)に座った状態から片足で立ち上がれない、片足立ちで60秒立っていられない。
以上の足の筋力が衰えた際の症状に、もし当てはまるなら、サルコペニア肥満、あるいは予備軍の可能性があります。
足の筋力の低下に合わせて、測定した体脂肪率も肥満レベルであれば、サルコペニア肥満である可能性がかなり高くなります。
公的に認められた数値の定義ではないものの、筋肉の割合が男性で27・3パーセント未満、女性で22パーセント未満、体重を身長の2乗で割った体格指数のBMIが25以上、の2つの条件を満たした場合、サルコペニア肥満と判定するという定義もあります。
体脂肪率、筋肉の割合、BMIとも、家庭用の電子体重計で測定できます。
サルコペニア肥満の対策と軽減策
サルコペニア肥満の解消は、通常のサルコペニアや通常の肥満より困難です。ただの肥満であれば、食事を減らすことで解消できます。サルコペニアだけなら、筋力トレーニングを行い、高蛋白(たんぱく)な食事を取れば、高齢者であっても筋力は回復します。
しかし、サルコペニア肥満では、食事を制限しながら筋力トレーニングを行うことになり、そのバランスを取るのが難しくなります。つまり、食事を減らすと筋力が低下する場合がありますし、筋力トレーニングの後の食事を取りすぎればさらなる肥満につながります。
また、サルコペニア肥満で寝たきりの患者や虚弱な高齢者は、運動することも難しいので、サルコペニア肥満の解消は非常に難しいものとなります。
サルコペニア肥満は防ぐ運動としては、特に下半身を鍛えるスクワットなどが推奨されます。脂肪を減らすためにウオーキングなどの有酸素運動も、取り入れたほうがよいでしょう。食事に関しては、食べすぎないという対策からもう一歩進んで、油分の多い食材を控え、筋肉の元となる蛋白質やアミノ酸の多い食材を意識して取るようにするのがよいでしょう。
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