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ストロベリーマーク
出生時や生後間もなくに出現する、イチゴ状の赤く軟らかい小腫瘤
ストロベリーマークとは、出生時より、または生後間もなく出現する赤色、ないし暗赤色の軟らかい小腫瘤(しゅりゅう)。イチゴ状血管腫とも呼ばれます。
出生時にはわずかに赤いか無症状で、生後1週から数週より、平らで小さい赤あざが出現し、次第に増大、隆起し、生後6〜8カ月ごろピークに達します。表面はイチゴの実のように顆粒(かりゅう)状で、軟らかく、鮮紅色を示す場合が多いのですが、色調に変化がないこともあります。また、表面が腫瘤状に隆起するものは3割程度で、6割近くは軽度に隆起するだけです。
ストロベリーマークができる部位は、顔や首が一番多いものの、頭、背中、肩、手足など、どこにでもできます。まぶたや唇、鼻孔部や肛門(こうもん)部、外陰部などに生じたものでは、視力や呼吸に障害を与えたり、腸閉塞(へいそく)などを来す危険性もあります。
大きさは数ミリから数センチとさまざまで、鶏卵大以上の大きな腫瘤になることもあるものの、年月とともに自然に小さくなっていき、早ければ1~2歳で、遅くとも5~7歳ごろまでに自然消退しますが、完全ではなく、表面にしわや変形が残ることも少なくありません。
このストロベリーマークは、真皮内に未熟な血管がたくさん増殖するために、皮膚の表面が盛り上がって出現します。胎児期の発達段階にある血管を構成する細胞が何らかの原因で残り、出生後、母親から受けていた増殖抑制因子が欠乏して、増殖するのではないかとも考えられています。
通常、大部分のものは自然に治るので慌てて治療する必要はありませんが、未熟な血管の集団が皮下にあるため、外傷を受けるとなかなか出血が止まらないことがあるので、注意が必要です。出血した時には、清潔なタオルかガーゼで十分に圧迫して、出血が止まるまで押さえておく必要があります。
ストロベリーマークの検査と診断と治療
皮膚科、皮膚泌尿器科の医師は通常、見た目と経過からストロベリーマークを診断します。
自然に消えていくので、特に合併症の危険がない大部分のものは、無治療で経過をみて差し支えありません。ただし、まぶたや唇、鼻孔部や肛門部、外陰部などに生じたものでは障害の危険性もありますので、早急に治療を施します。
即効的な治療として、副腎(ふくじん)皮質ステロイド剤の大量投与が行われます。効果が不十分な場合には、インターフェロンαの連日皮下注射が行われる場合もあります。これらの治療は効果的ですが、いずれも重い副作用を生じる可能性があります。
自然消退した後に表面にしわや変形が残ったケースでは、後日、形成外科的に手術します。また、乳幼児期からレーザーによる早期治療を行い、色調を自然経過よりも淡くしたり、自然消退を促して変形を抑制することもできます。表面の赤あざには、パルス色素レーザーを照射して色調を淡くします。皮下血管腫には、内部にヤグレーザーを照射して血管腫が腫瘤になるのを未然に防いだり、すでに盛り上がった腫瘤を縮小したりします。
なお、ストロベリーマークなどの赤あざに限らず、すべてのあざは日光の紫外線を受けると、症状が悪化したり、医療レーザーの効果が小さくなる可能性があります。症状の悪化や治療効果を妨げないように、過度の日焼けを避けるサン・スクリーン対策をすることが勧められます。
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