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早朝覚醒
朝早くに目が覚め、そのまま眠れなくなるタイプの不眠症
早朝覚醒(かくせい)とは、朝早くに目が覚めてしまって、そのまま眠れなくなるタイプの不眠症。不眠症と判断される目安となるのは、この症状が週に2回以上、かつ1カ月以上続いており、本人が苦痛を感じている場合です。
朝早く、4時くらいに目が覚めた後、もう一度眠ろうとしてもなかなか眠れませんし、眠れたとしても、うつらうつらするだけで熟睡できないため、かえって疲れてしまうこともあります。早くに目が覚めてしまうので、そのぶん、早く寝なければと早寝の習慣が付いてしまい、さらに早朝に目が覚めるという症状が進んでしまう場合もあります。
重要な試験や会議の前など特に緊張している場合、朝早く目が覚めてしまったり、なかなか眠れないということはありますが、長期間続くようだと昼間の生活にも支障が出てしまいます。早朝覚醒になると、活動中に集中力が落ちたり、何事も面倒に感じたり、気分が落ち込みがちになったり、昼間に我慢できない眠気に襲われることもあります。
この早朝覚醒には2つのパターンがあり、1つは老人性早朝覚醒です。人間は年を取ると、生活リズムが変化して朝方の生活になる傾向があります。朝が苦手だった人でも、年を取ると早起きになったという話もよく聞きます。眠り方というのは、年齢とともに変化するのが自然なのです。
若い人の場合、1回の睡眠中に深い眠りのレム睡眠が2~3回繰り返されます。しかし、年を取るとともにレム睡眠に達する回数は少なくなり、浅い睡眠状態になります。また、眠るための物質であるメラトニンの分泌量が少なくなり、眠る能力が低下してきます。そのため、朝早くに目が覚める早朝覚醒や、夜中に目が覚める中途覚醒が起こりやすいのです。
不眠症の中で最も罹患(りかん)率の低いタイプが早朝覚醒ですが、高齢者の不眠症では最も多いタイプに相当します。ほかの不眠症と違い、ある程度の年齢で熟睡感があり、生活に支障がなければ問題はありません。早く目が覚めてしまえば、無理に再び眠ろうとせず、そのまま一日を始めてもいいのです。
疲労がたまったり、昼間の活動中に眠気を感じる場合には、改善を行うのがお勧めです。朝日が差し込まないように遮光カーテンを引いたり、雨戸を閉めて、早い時間に覚醒しないようにするのも一案。
早朝覚醒のもう1つのパターンには注意が必要です。それは、うつ病、双極性障害(躁うつ病)、躁病などの精神疾患の症状として現れます。
ストレスや不規則な生活が続くと、知らず知らずのうちに軽度のうつ病になっていることがあります。うつ病と不眠症は関係が深く、うつ病の症状の一つに不眠が挙げられます。うつ病として軽い段階だと、本人も病気だという自覚症状がないままで、どんどん睡眠状況が変化するため、睡眠不足と気分の上下動で混乱してしまいます。
うつ病の場合は、起きる時間が早くなっていく以外にも、中途覚醒、入眠障害など睡眠そのものが不規則になるため、日常のパターンが崩れやすくなり、生活に支障を来すことが多いものです。
精神疾患の症状としての早朝覚醒は、日中に体を動かしたり、日の光をきちんと浴びたり、精神的なストレスを軽減したり、睡眠の環境を整えたりといった方法で、改善する場合もあります。しかし、断続的に不規則な眠りに悩まされる場合、気分の変調、落ち込みなどの問題がある場合は、できるだけ早く心療内科や精神科を受診して、専門医に相談することがお勧めです。
精神疾患の治療の一環で、睡眠薬を出してくれる医療機関も数多くあります。医師と相談の上、睡眠薬などの服用が必要である場合もあります。
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