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出産育児一時金

 出産育児一時金とは、病気で病院にかかる場合と違って健康保険が使えず全額自己負担になる出産費用の一部を、公的医療保険から賄ってくれるもの。

自ら健康保険に加入、または夫や親の被扶養者になっていて、妊娠4カ月以上で出産した人は、子供1人につき42万円が受け取れます。従来の38万円から2009年10月に42万円へ増額されましたが、2011年3月までの暫定措置となっています。

双子なら2倍の84万円を受け取れます。この際は、出産育児一時金の請求用紙の証明欄に、担当医から多胎であることを記入してもらう必要があります。

勤務先の健康保険によって、あるいは国民健康保険でも住んでいる自治体によっては、付加給付がついて42万円+αが給付される場合もあります。

ちなみに、妊娠85日以上で死産や流産をした場合でも、この出産育児一時金の支給対象になります。1年以上健康保険に加入し、退職後6カ月以内に出産した場合も、働いていた時に加入していた健康保険の機関に出産一時金を請求することができます。

2006年10月より、あらかじめ手続きをすれば、直接病院へ振り込んでもらうことも可能になっていましたが、2009年10月以降は、病院への直接払いが原則になりました。

なお、実際にかかった分娩・入院料が42万円を超えた場合は、差額分を直接、病院に支払います。逆に、42万円より安くて済んだ場合は、差額分を振り込んでもらうことができます。

会社員や公務員、退職後に任意継続した妻は、勤務先の健康保険に申請します。会社員や公務員の夫の健康保険の被扶養者になっている場合は、夫の職場の総務など担当部署か、健保・共済組合の窓口へ。

赤ちゃん1人当たりにかかる出産費用は2010年8月、全国の医療機関で平均47万3626円だったことが10月13日、厚生労働省の実態調査でわかりました。同省による出産費用の調査は初めてで、同日の社会保障審議会部会で示しました。

出産費用を巡っては、公的医療保険から支給される出産育児一時金が2009年10月に42万円へ増額されましたが、2011年3月までの暫定措置。今回判明した平均費用が38万円を大きく上回っていたことから、厚労省は2011年4月以降も現在の支給額を維持したい考えで、同部会で調整を進め年末までに結論を出します。

ただ、増額分4万円の財源は3~5割程度を国庫補助、残りは保険料などで賄っており、財政悪化に苦しむ健康保険組合などは、国庫補助の充実なしには42万円の維持は困難と主張しています。

調査は2010年8月、出産一時金を医療機関に直接支払う制度を利用した正常分娩について、病院と診療所、助産所から申請された請求書約5万3000件を集計。出産費用には入院料や検査・薬剤費、差額ベッド代などを含み、全国平均額47万3626円のうち分娩料が約22万2000円で、入院料が約10万8000円かかりました。病院と診療所の47万円台に対し、助産所は約44万8000円と割安でした。

同省が研究班に委託調査した2009年1月分の集計では、全国平均約42万4000円。出産育児一時金の上乗せに伴い、費用も引き上げられた形でした。

都道府県別では、東京都の約56万円が最も高く、最も低いのは鳥取県の約39万円。

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