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小舞踏病
リウマチ熱に由来する脳の障害で、不随意運動が出現
小舞踏病とは、リウマチ熱に由来する脳の障害で、手足が勝手に動いてしまう不随意運動を起こす疾患。ジデナム舞踏病とも呼ばれます。
通常5~15歳くらいの子供、特に女子に多くみられます。原因となるのは免疫反応で、リウマチ熱の引き金になる溶血性連鎖球菌(溶連菌)の感染に起因します。 溶血性連鎖球菌と人体の組織が似たような抗原部分を持つため、自分自身の免疫が誤って自分の体の中枢神経を攻撃し、発症します。
症状はまず、発熱、関節症状、皮膚症状、扁桃(へんとう)炎、心筋炎、心内膜炎などリウマチ熱に付随する症状を示し、多くのケースでは3〜6カ月後に不随意運動(舞踏運動)を生じます。リウマチ熱に付随する他の症状を伴わず、不随意運動が単独で出現することもあります。
手足が自分の意思とは無関係に動いてしまい、不自然に肩が動いたり、顔を曲げたり、踊るような歩き方をします。不随意運動は両手、両足や顔面において両側性に発生しますが、一側性のケースも見られます。
精神的にも不安定で、行動も落ち着きがなく、言葉もはっきりしないし、字を書かせると、健康な時と違って大小不同であり、たいへん下手になります。疾患の悪い時には、一人では食事がとれません。また、疲れたり興奮したりすると、症状がひどくなります。眠っている時は、症状が出ません。
軽い場合には、「落ち着きがない」「行儀が悪い」と見られる程度で、見逃されることも少なくありません。チックや多動症と誤診されることもあります。
小舞踏病の検査と診断と治療
診断は、リウマチ熱の症状と溶血性連鎖球菌の存在によって行われます。
治療としては、不随意運動のコントロールに抗精神病薬が用いられます。中には6〜8週間、不随意運動が続くケースもありますが、通常は数日で自然に症状が消えます。ほかに、安静が維持できない場合に、鎮静剤を用いることもあります。最近では、リウマチ性変化に対して、副腎(ふくじん)皮質ホルモン(ステロイド剤)、バルプロ酸ナトリウム剤を使用することもあります。また、心合併症を防止するためには、ペニシリン剤の長期投与が必要とされます。
小舞踏病は1週間~2年ほど持続しますが、75パーセントは6カ月以内に消失します。
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