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神経因性膀胱
膀胱を支配している神経の障害で、排尿に障害
神経因性膀胱(ぼうこう)とは、膀胱を支配している神経に障害があって、尿が出にくいとか、漏れるといった膀胱の機能障害を起こす疾患。
尿は、膀胱と尿道がうまく働いて排出されます。これらを働かせるためには、働けという命令を伝える神経がしっかりしていないとうまく働きません。この神経因性膀胱による排尿障害は、嚥下(えんげ)性肺炎、褥創(じょくそう=床ずれ)とともに神経疾患の3大合併症といわれており、放置すると尿路感染や腎機能障害などを引き起こすことも多く、重大な症状の1つです。
原因としては、脳や脊髄(せきずい)を交通事故などで損傷した場合や、脳出血、脳梅毒、脳脊髄腫瘍(しゅよう)などの疾患から起こるものがあります。とりわけ、糖尿病による神経障害は、かなり増加しています。子宮がん、直腸がんなどの手術後に起こることもあります。
症状は、損傷の部位や障害の程度などでさまざまな型があります。乳児のように脳からの抑制が効かなくて、意思とは無関係に反射的に排尿が起こったり、膀胱部を強くたたいたり、会陰(えいん)部や肛門(こうもん)部などを刺激すると、排尿が可能になるものもあります。また、高齢者では排尿力の低下や、尿失禁など、ある程度は必ずみられるようになります。
神経因性膀胱の検査と診断と治療
神経因性膀胱の診断では、血液や尿検査のほかに排尿後、膀胱に残っている尿量を測る残尿測定や膀胱機能検査などが行われます。
治療はなかなか困難ですが、できるだけ正常な状態に近付けること、具体的には排尿間隔は2時間以上、尿失禁がなく、残尿も100ml以下を目標とします。
薬物療法としては、蓄尿機能の障害に対しては、排尿筋の異常収縮を抑える薬として抗コリン剤などが、尿道の抵抗を高める薬として交感神経を刺激する薬や抗うつ剤の一種が使用されます。排出障害に対しては、排尿筋の収縮率を高める薬としてコリン作用薬や抗コリンエステラーゼ剤などが、尿道の抵抗を弱める薬として交感神経遮断薬の一種や筋弛緩(しかん)剤などが用いられます。
このような薬剤による治療だけでは不十分な場合、手や腹圧による膀胱訓練、カテーテルによる導尿、さらに神経ブロックや手術などの方法もあります。
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