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骨化性筋炎
筋肉が炎症を起こした後、筋肉の中に骨性組織が形成される疾患
骨化性(こつかせい)筋炎とは、筋肉の中に骨性組織が形成される疾患。外傷性骨化性筋炎とも呼ばれ、異所性骨化の一種に相当します。
筋肉の打撲や挫傷(ざしょう)などの損傷により、出血して血腫(けっしゅ)を形成した後、その血腫内に骨を形成する細胞などが侵入した場合に、カルシウムが沈着して起こるとされています。
骨に比較的近い部分の筋肉損傷で起こりやすく、特に大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の外側広筋(がいそくこうきん)に最も多く起こります。
発症の主な原因として、サッカーやラクビー、バスケットボール、レスリング、空手など、コンタクトスポーツによる大腿部などの筋肉の打撲や挫傷が挙げられます。
症状としては、大腿四頭筋の外側広筋に発症した場合は大腿部の外側に、中間広筋に発症した場合は大腿部の前側に、その筋肉の中央を中心に周囲がぼんやりはれた状態となります。
膝(しつ)関節に発症した場合は、その部分の伸縮性を失うため、膝(ひざ)が深く曲げられなくなります。肩、頸部(けいぶ)、上腕など大きな血管が走っている部位に発症することもあります。
運動をすると痛みが出ますが、安静にすると痛みが消失します。ただし、病状が進行すると、安静時にも痛みを感じるようになります。
通常、筋肉の打撲や挫傷の場合、よほど損傷がひどくない限り、安静にして3週程度経過すればはれや痛みは消失します。大腿部の明らかなはれや運動時の痛み、膝関節の屈曲制限が1カ月以上経過しても治まらない場合は、骨化性筋炎が疑われます。
受傷した当初、打撲や挫傷の程度は軽いと本人が自覚した場合でも、その後の運動の刺激などで筋肉の損傷部分が広がって悪化し、後から骨化性筋炎が起こることもあります。
また、張りや凝りのある筋肉を強くもむようなマッサージ、痛みがある時点での無理なストレッチといった不適切なケアが、骨化性筋炎を引き起こすこともあります。
骨化性筋炎の受診科は、整形外科です。
骨化性筋炎の検査と診断と治療
整形外科の医師による診断では、X線(レントゲン)検査を行い、筋肉内に発生した骨性組織を確認します。ただし、受傷後2週間程度ではX線検査の画像で骨性組織が認めにくいため、有効的でないこともあります。
整形外科の医師による治療では、X線検査で筋肉内に発生した骨性組織の消失が確認されるまでの間、安静とすることが基本です。
それまでは大腿四頭筋などに負荷の掛かる運動は一切禁止し、痛みが治まるまで患部の安静、抗炎症剤や鎮痛剤の服用、湿布、低周波などの電気治療、アイシングなどを行い、場合によっては固定を施します。
手術をして血腫を取ったり、骨性組織を取る必要はありません。
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