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角膜びらん
角膜上皮の一部が、外部からの刺激などで傷付いたり、むけたりした状態
角膜びらんとは、黒目に相当する部分の一番上の組織である角膜上皮の一部が、外部からの刺激などで傷付いたり、むけたりした状態。
初期症状は、目の違和感、痛み、白目の充血などとして現れます。涙がたくさん出たり、目やにが出ることもあります。皮膚と違って角膜には血管はないので、出血はしません。
多くは、角膜部分の傷、異物混入、コンタクトレンズの使用による弊害などの外的な要因で起こります。最近は、パソコン作業が多い人にも増えています。パソコン作業では、テレビの画面を見るのと違って、長時間じっと画面を見るため、まばたきの回数が減って眼球を潤し保護する涙が出ないために、目の表面が乾燥し、傷付きやすい状態になるとされます。
また、糖尿病、遺伝性の角膜ジストロフィなどの内的な要因で、誘発される場合もあります。糖尿病の人では普通の人と比べて、角膜上皮がむけやすくなるからです。
進行する疾患ではなく、角膜潰瘍(かいよう)など角膜に関するほかの疾病とは異なり比較的軽症で、後々に視力障害などの後遺症は通常残りません。
しかし、角膜自体がもともとデリケートな人がかかりやすいため、角膜びらんそのものを何度も再発する人も多くいます。再発した際は、朝起きた時に突然起こるケースが多いようです。再発を予防する決定的な方法はありませんが、きちんと一回一回ケアしていれば、過度に心配する必要はありません。徐々に角膜が刺激に対して強くなり、角膜びらんも起こらなくなってくると考えられています。
ただし、再発した際に目に強い刺激を受け、違和感が残ったら眼科を受診して、きちんと対処することが必要です。
角膜びらんの検査と診断と治療
眼科の医師による診断は、通常、単純なびらんの場合は容易です。再発性角膜びらんの場合は、糖尿病や角膜ジストロフィについて血液検査で調べることもあります。
眼科の医師による治療は、症状が非常に軽い場合には、消毒用の点眼をするだけです。少し強い症状を示している場合には、抗菌効果のある眼軟膏(がんなんこう)を塗って眼帯をします。びらんの程度の差や個人差はありますが、角膜上皮の再生能力は高く、早ければ1週間程度で治ります。
再発を繰り返す場合には、基本的には1回ごとの治療方法は変わりませんが、より痛みが強く、刺激に敏感である場合も多いため、再発を防ぐ意味でも保護用のソフトコンタクトレンズを使用する場合もあります。もともとコンタクトで角膜びらんになることもあるのですが、正しく利用すれば角膜を覆うコンタクトレンズは角膜を保護する機能があるといえます。
再発を繰り返す場合には、痛みがなくなっても、最低2カ月は治療を続けることが必要とされます。
予防法としては、日頃から、コンタクトレンズの正しい使い方や、パソコン作業の際のまばたきを意識することです。パソコンで長時間調べ物や資料作成をして、疲れてきた際に目をゴシゴシこするのは禁物で、意識してパチパチとまばたきすることを心掛けるべきです。
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