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間接喫煙

たばこを吸わない人が自分の意思と無関係に、たばこの煙を吸い込んでしまうこと

間接喫煙とは、たばこを吸わない人が吸う人と同じ空間にいることで、自分の意思とは関係なく、たばこの煙を吸い込んでしまうこと。受動喫煙ともいいます。

間接喫煙で吸い込む副流煙、すなわち、たばこの先の火のついた部分から立ち上る煙のほうが、喫煙者が直接口から吸い込む主流煙よりも、ニコチンやタール、一酸化炭素を始め、非常に発がん性の高いベンツピレンなど200種以上の有害物質を多く含むことがわかっています。

その他、喫煙者が口から吐き出す煙を吐出煙と呼び、副流煙と混ざって室内の空間に立ち上る煙は、環境たばこ煙といいます。たばこを吸わない人も同じ空間にいれば、環境たばこ煙を吸い込みます。

燃焼されて発生する煙がたばこの中を通り、フィルターを通って喫煙者の体の中に入っていく主流煙は酸性であるため、副流煙と比べて刺激が少なくなっています。副流煙は強いアルカリ性で、アンモニアなども含まれて刺激臭を伴うので、目や鼻の粘膜をより刺激します。

間接喫煙による害には、のどの痛み、心拍数の増加、血圧上昇などがあります。また、肺がんや虚血性心疾患、呼吸器疾患などにかかりやすくなります。とりわけ、子供は大人以上に影響を受けやすくなり、家庭内の喫煙によって、気管支炎、喘息(ぜんそく)などを起こす率が高くなったり、乳幼児突然死症候群が増加することも明らかになっています。

なお、厚生労働省の研究班が2010年9月28日に、間接喫煙が原因の肺がんや心筋梗塞(こうそく)で年間約6800人が死亡しているとの推計値を発表しています。うち職場での間接喫煙が原因とみられるのは約3600人で、半数以上を占めました。喫煙による死者は年間約13万人と推計されていますが、間接喫煙に関する推計は初めてで、研究は喫煙との因果関係が明らかな肺がんと心筋梗塞に絞って実施。

健康増進法では、間接喫煙を「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義しています。健康被害を防ぐため厚生労働省は2010年2月、飲食店やホテル、百貨店など多くの人が利用する公共的な施設に対し、建物内での全面禁煙実施を求める通知を出しました。

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