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小麦フスマ

食物繊維のほか、抗酸化成分も多く含む小麦の外皮

小麦フスマとは、小麦の粒の外皮や胚芽(はいが)の混合物。小麦を精白した時に、カスとして出ます。小麦ブランともいわれます。

小麦フスマの主な成分は、食物繊維、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、銅、フィチン酸、セレン、フェノール、ステロール、ビタミンEなど。

成分の約50パーセントを占めるのが不水溶性(不溶性)の食物繊維で、他の食品に比べ群を抜いて多く含まれています。この不水溶性の食物繊維は主にセルロース、ヘミセルロース、リグニンという種類のもので、水分をたくさん吸収する性質を持つことから、便の量を増して軟らかくし、素早くスムーズに排出させる働きを持っています。大腸がんの予防効果もあります。不水溶性の食物繊維は、日本人に不足しがちな栄養素でもあります。

このほかに、小麦フスマの生理作用として、腸内有用菌(ビフィズス菌)の増殖、コレステロール上昇の抑制、血圧上昇の抑制、ナトリウム排出の促進などの効果が認められています。

また、あまり知られていませんが小麦フスマの成分には、100グラム当たりカルシウムが約100ミリグラムと牛乳並みに、鉄分が約15ミリグラムとホウレン草並みに含まれており、いずれも日本人に不足しがちな栄養素でもあります。

そのほか、今もてはやされている「ニガリ」の主成分であるマグネシウムも、たくさん含まれています。マグネシウムには、便通をよくする働きのほか、脂肪を燃焼する作用もあります。

最近、注目を集めているのは、抗酸化成分としてのフィチン酸。従来、ミネラルなどの栄養吸収を阻害する成分といわれていましたが、満腹中枢に影響を与えて食欲を抑えたり、強力な抗酸化作用からがん予防に効果的といったプラス面も評価されています。

パンなどの多くの食品に使われている小麦粉は、小麦フスマを取り除いて胚乳のみを粉にしたものが多いのですが、小麦フスマや全粒粉(ホールグレイン)を使用したパンも出ており、健康増進に有用な食品として注目されています。小麦フスマを含んだシリアルや、ビスケットも出回っており、これらの小麦フスマを含んだ食品は、「おなかの調子を整える」というトクホ(特定保健用食品)表示の許可を厚生労働省から取得しています。

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